怪文書の作り方(つくば市政展望-339) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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1985年から1986年に架けて、筑波郡谷田部町では様々な怪文書が横行した。私は怪文書の蒐集を図った。その怪文書の中で、秀逸というか類を見ない怪文書は高野水道工事の作成した横田美農夫助役攻撃の一枚であった。この怪文書は余りにも優れているため、その後の茨城県内の政争で参考にされている。見事なのだ。東京からつくばエクスプレスで県内移住してくる人々の心を掴む手本である。

優れている第一は、毛筆で書かれた立派なビラであった事だろう。文章は横田美農夫助役が業者から赤坂で接待を受けた、という政治の裏を的確に伝えていた。ビラには、谷田部町へ進出したい企業の事務所へ町内の土建業者と行き、接待を受けたという内容が書かれていた。しかし、接待の内容が幕の内弁当であったにしても、企業の存在場所が赤坂であた。赤坂という地名にはイメージがある。

そこを高野水道工事は見事に突いている。赤坂で業者の接待を受けた。折から、沼尻民平町長は土建業から袖の下を貰ったと逮捕されたことが松代の公務員住宅の話題になっていた。そこに横田美農夫助役も、というイメージを重ねた効果を示した。

横田美農夫助役はこの一枚のビラで汚れたイメージを造られた。旧住民は横田美農夫助役を知っている。だが、松代公務員住宅の新住民は知らない。それに谷田部町有権者の25%が松代公務員住宅の住民だった。影響は大きかった。