『哈爾濱を中心としたる北満洲特産物』(満洲研究-40) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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横浜正金銀行調査課が、昭和6年に刊行している。「行外秘」である。満洲事変直前の産物は大豆と小麦であったことが判る。

後に、北満の特産物となるコメ、亜麻が日本による産業振興だと理解される文献となっている。亜麻に至っては世界の三大産地に成長させた日本の努力は何であったのか。

北満、現黒龍江省の亜麻栽培がなければ現支那の海軍力は形成出来なかった、と論じるのは早合点だろうか?

黒龍江河口付近は浅い故に、黒龍江松花江の農産物を外へ出せないと記述されている。

これは今後日本が露・支両国へ働きかける手口を教えてくれる。黒龍江流域のコメの生産は今後も増産が可能だが、外へ運びだすのが難儀なのだ。この分野の研究に日本財団が乗り出すことを期待している。大阪経法大学の南正院教授なら充分に調査して下さる筈だ。この地域の調査研究では京大農学部卒の南正院教授が進んでいた。