「サウジと32億ドルの輸出契約」(『統一日報』を読む-86) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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朝鮮半島は南北共に受けに入っている。韓国軍事産業は、迎撃ミサイル「天弓Ⅱ」を10基もサウジへ輸出するようだ。

天弓Ⅱは中距離の地対空迎撃兵器である。サウジはイランとの緊張関係に備えて弾道ミサイルを打ち落とせる、安い韓国の天弓に着目したのだ。サウジの隣国イランは、北朝鮮のミサイル市場だ。

韓国の軍需産業の今日は、朴正熙将軍がクーデターを起こすや直ちに、経団連の植村甲午郎を案内してはせ参じた孫達元新日本工機社長の功績が大きい。新日本工機は、戦前には大日本工機と云い、帝国陸軍少将が社長に就いていた。つまり、日本一の兵器廠であった大阪砲兵工廠の系列会社だ。

第二次世界大戦で最も優れた大砲を製造していたのが大阪砲兵工廠であった。その大砲製造技術が世界に轟いたのは、デェンベンフーの包囲殲滅作戦であった。大阪砲兵工廠は西郷隆盛の反乱を予期して大村益次郎が造ったと言われている。その大村益次郎を描いた司馬遼太郎の作品の愛読者が佐藤榮作元首相であった。

南牛は、あの『佐藤榮作日記』の全巻を購入し、日記から孫達元の功績を調べたのだ。