咸鏡南道咸興を調査するに欠かせないのが『日本科学技術史大系』の21巻の『化学技術』である。この21巻著述の主要メンバーがマルクス・レーニン主義者であっただけに、実に興味深い叙述に出会う。著述者は南牛を保守反動の国際共産主義運動に敵対する反共主義者として東京工業試験所80年史編纂以後に敵対してくる。80年代からの通産省職員としての苦難の行軍はこの本の主要な著述者によって形成される。
だが、この本を読んでいたことで同時代の科協幹部とは親しくできた。不思議な因縁だ。
金正日の生涯も、この本の一冊から読める。
大羽谷津塾の2月の講義はこの本から始める。
思えば、東洋大学の科学史の教授は国際共産主義運動を正義の運動として捉え、それを批判する南牛を悪党として罵倒してきた。