〝あの頃シリーズ〟ブログ、今回はAcid Black Cherryのデビュー曲でもある、SPELL MAGICというタイトルです。

 

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SPELL MAGIC

 

ソロ活動に向けての最初の選曲会に提出されたyasuのデモ曲たちは、どれもクォリティーが高いものばかりでしたが、ソロデビュー曲として相応しいかといえば〝違う〟というのがyasuの見解でした。

ただ、楽園(「BLACK LIST」に収録)のデモを流しながら、デビュー曲はこれじゃないんですけど、これみたいな肌触りの曲なんです。とも言ってました。

 

次の選曲会で、yasuが用意したデモ集にはしっかりと「デビュー」という仮タイトルが書かれた楽曲があり、もう、聴く前から、〝今、出すべき曲〟

そう確信出来る作品がyasuの中から産まれ出たんだな、と思いました。

 

言うまでもなくこの〝デビュー〟が後のSPELL MAGICです。

デモをデッキに入れ、再生ボタンを押すと最初に流れてきたのは、ダッダッダダッダと今や皆様お馴染みのあのイントロ。

これって誰でも考えつきそうなくらいシンプルなパターンなのに実は何処にも存在しない。こういうのは本当に強い。掴まれる。良くぞ見つけました、という感じ。

 

曲が終わると、yasuは、この曲のMVも考えてあるんですよ、と言って、オタクがオーディションに来て、演奏するとカッコ良く見える、というアイデアをキラキラと話し始めました。

もはや選曲会とは名ばかりで、顔はにこやかだけど、

 

「デビュー曲はこれ以外あり得ません」

 

と、彼の内なる、でも確固たる意志を僕は感じ取っていました。

 

思い返せばyasuの振る舞いはいつだって謙虚。

それが彼の良さでもあるけど、こと制作現場においては、もっと我を出して欲しかった。拘りを貫いて欲しかった。

そう出来ない理由があるのも分かっていたけど、そこを突き抜けなければ本当の意味でのアーティストにはなれない。

彼の資質からすればそれでは勿体無さ過ぎる。ずっとそう思って本当にもどかしかった。

 

根拠のない自信の押し付けは厄介だけど、根拠のある自信の表れは人を惹きつけ、魅了します。

根拠だけでなく実績もあるのに、まるで自信がないように振る舞う、それが僕が感じていた昨日までのyasu。

でもこの日の彼は違いました。

 

相変わらず彼を纏う柔らかさはそのままだったから、その場にいた何人が彼のその違いに気づいたかは分かりません。

でも彼の内面で確実に何かが蠢いている。

証拠に、これまでのyasuのままなら、デビュー、なんて自信満々の仮タイトルを付けて選曲会に臨んだりは絶対にしない。

 

yasuに起きたであろう、この意識の変化がアーティストとしての成長とプロジェクトを全力で背負う覚悟を伺わせて、それが僕には嬉しくて、なんだかよく分からないけどその日、yasuに焼肉を奢った気がします。

 

あくまでも気がするだけです。