世界
今朝、僕は庭で自宅の屋根を見ていました。
正確には屋根瓦の端を見ていました。
3年前の台風で一番端の瓦が数枚飛ばされてしまい、簡単な雨漏り止めの修繕だけして、無くなった瓦の空いた隙間はそのままにしていました。
最近、その隙間のどれかにスズメが巣を作ったらしく、たまに出入りをするのを見かけていました。

今朝その軒下に近付くと、かすかな鳴き声が聞こえ、スズメのヒナが孵ったと分かりました。
そして、親スズメが驚くくらい大きな青虫を咥えて戻ったりするのを眺めていました。
その間もヒナたちの鳴き声は、かすかに、でも絶え間なく聞こえていました。
家に戻りテレビを点けるとニュースが流れていました。
とても悲しいニュースが流れていました。
もしあの男がスズメのヒナ達の鳴き声を聞いていたら、
世界は「優しい強さ」で溢れていることに気付けたかもしれない。
個人の狂気や怒りを簡単に打ち砕くほどの、
優しい強さが世界に溢れていることに、気付けたかもしれない。
シッポが鳴いた日
シッポとのスキンシップは取れるようになりましたが、それは食事時のみの触れ合いで、ねぐらに帰った後の夜の寒さや雨風の日に辛い思いをしているのではないか、そんな心配が大きくなってくる中、家の子たちに異変が起こり始めました。
いつもご飯のおかわりを催促する子が食欲を無くし、空っぽの嘔吐を繰り返すようになり、そして他の子も次々と同じ症状に…。
猫パルボの惨劇が頭をかすめましたが、皆ワクチン接種を受けていて、ただ毎年ではないため効果が薄れている可能性もあるので、一人の子を病院で診てもらったところ、僕の町のみならず両隣りの市町にまで猫の胃腸炎が大流行していることを知りました。
ただ重症化することはなくて一週間程度で治まるそうですが、その期間ほぼ絶食状態になるため体力の低い子は命の危険も。
人間でいう胃薬を飲ませるとで症状は早く改善するそうで、うちの子全員分の薬をもらい、順番のように胃腸炎に罹る子が出ても、初期に罹った子には食欲が戻り始めました。
家の中がそんな状態でもシッポの食欲は変らず安心していましたが、数日後、ピタっと食べなくなり、辺りに嘔吐の跡が…。
胃腸炎の感染は間違いなく、僕の呼びかけにも応えず裏山の斜面にじっと座ったまま…。

スキンシップは取れるようになっても、口を開けさせて薬を飲ませるのは無理。
食欲も無いため、フードに薬をしのびこませて一緒に食べさせることも出来ない。
動かず、ただじっと耐えて病いをしのごうとする姿に涙が出そうになりました。
やがて暗くなり、何も食べないままシッポは僕の知らないねぐらへと帰って行きました…。
このまま、もうシッポに会えないかも…そんな不安のまま迎えた次の日の朝、それでもシッポは来てくれました!
何も出来ないまま、こんなにも心配するくらいなら、
万一の時に後で後悔するくらいなら、
シッポを家に迎え入れよう!そう決心しました。
玄関の前で呼び、開いた玄関から中の様子を伺いながら入ってきたシッポを、素早く抱え上げて4階建ての巨大ケージに放り込みました。

暴れるのを覚悟していましたが、意外にもケージの中でおとなしくしていて、しかも匂いを嗅ぎに来る子たちに対し、シッポが全く威嚇しないことにも驚きました。
うちには異常に人見知り(猫見知り、犬見知り)しない子がいるので、その子を試しにケージに入れてみても、お互い平穏状態のまま。
他の子も入れたり出したり、夕方には家の中を少しづつ探検させ、廊下の突き当たりにシッポ専用のトイレを作り、また缶詰フードと一緒に薬も食べて嘔吐も無く、胃腸炎をほぼ丸一日で克服してしまったようでした☆彡
シッポが鳴いた日・終
2日後の朝には他の子と一緒にご飯を食べさせてみましたが、ほぼトラブル無し。

唸り声をあげる子がいてもケンカにまでは発展せず。
布団の上で平然とオシッコをするのには参りましたが、すぐに玄関にある他ニャンとの共同トイレに入るようになって安堵♪
しばらくは廊下の突き当たりを自分の拠点としていましたが、やがてみんニャと一緒の部屋にいるようになり、それまで気付かなかったシッポのいくつかの特性を知ることに。
他ニャンにシャーッ!や猫パンチをされると、すぐにションボリして退席する…。
僕が嫌がることをしたり、のちに去勢手術で病院に連れて行って暴れた時も、普通なら出血するくらいに引っ掻いたり噛みついたりするはずが、暴れていてもちゃんと加減してくれる。
それは小さい頃にきょうだい猫と一緒に育った証で、シッポのかなりの甘えんぼ体質も発覚しました(笑)
他ニャンにペロペロ毛づくろいをされると、「至上の喜び」とばかりにウットリ❤

「ねーちゃん❤」

他の子とも打ち解けていって、、、

家猫の中で最年長のたれちゃんとも、くっついて寝ていました!
写真を見ていたら、ふたりの姿がハートに見えてきました❤

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こうして、すっかりシッポは我が家の一員となり、親父から「もう猫は増やすなよ」と言われていたにもかかわらず、更に大家族化が進んでしまいました(汗)。
家ニャンが全部で何匹になったかは、個人情報の兼ね合いから明言を避けますが、
遂に二ケタ突入!とだけお伝えしておきます…。
ある日の「日向ぼっこだョ!全員集合」の風景。。。

優しいお兄ちゃん、お姉ちゃんたちに囲まれて、よかったねシッポくん^^

本当によかったね。。。

野良シッポが毎朝うちに来るようになってからのこと、
その日は名前を呼んでも現れず、諦めていたら僕の背中から猫の鳴き声が・・
?と見るとシッポがそこにいました。
何とも可愛らしく、子猫のような甲高い鳴き声に思わず笑ってしまいました^^
「お前そんな可愛い声してたのか!」
野性の残る猫は、自分の存在や痕跡を隠したがります。
鳴き声を上げるのも危険な行為で、僕にその存在を伝えるために鳴いてくれたことが、僕への警戒心を完全に解いてくれたことが何より嬉しかった。
あの鳴き声を初めて聞いた瞬間から、
僕はシッポを飼うことを決めていたのかもしれない。

シッポに触れた日
その子との初めての出会いは今年の2月に入ってすぐ、近所の地域猫とのケンカの真っ最中でした。
キツネ?!と見紛うくらいに尻尾が膨れ上がっていて、普段は見かけない子なので発情期のオス猫の一時出張かと思っていましたが、かなりお腹を空かしているようで、フードを置いて僕が離れるとすぐに食べていました。

それから数日、うちから三軒隣の空き家の裏にフードを置き、その子の姿は見えなくても、数分離れて戻るとフードが無くなっている、ということが続き、
更に数日後、どうやって分かったのか、我が家の裏にその子が姿を見せるようになりました!
空き家までフードを運ぶのは面倒だったので、そのまま「餌付け」をすることに。

最初は僕の姿を見るだけで逃げていましたが、数粒フードを置いて、食べては置く、を繰り返し、空腹に耐えかねて少しずつ僕との距離を縮めていきました。
そして朝夕、「ご飯だよ~!」の声と一緒にその子の名前を呼ぶと、しばらく経ってから現れるのが日課に。
名前は見たまんまの、「シッポ」くんと名付けました(笑)

毎日少しづつ間合いを詰めていき、無我夢中でフードを食べている隙にオデコを触れる距離まで近付いた時点で、もう僕の「勝ち★」でした^^
耳をつまんだりした後は肩甲骨と進み、背中を触られて最初はビックリして飛びのいていても、やがて食べてる最中に尻尾の付け根までカジカジされても、諦めて食べ続けるようになりました。。。
そして、こんなポーズまで見せるように❤

ただ、真冬の一番寒い時期のこと、段ボール箱の中などには入るはずもなく、
寒風をしのげるエアコンの室外機の囲いの中で食べさせても、食べ終わると何処かへと消えてしまう…。
僕の知らないシッポの日常を心配する日々が続き、そして家の子達にも心配な出来事が起こり始めました…。
シッポに触れた日・終