暫く時が経った。


少年は無防備に会話をするのはよそうと思っていたから、眠った振りをして見張っていた。



寝た振りを半時程していると、馬の嘶きが聞こえてきた。


何事かと、少年は外に出た。



しかし、目に飛び込んできたのは、馬ではなく、大きな鳥だった。


聴力と視力が組み合わさらず、少年の脳は錯乱しかけた。


鳥は人が乗れる程大きかった。

そして、実際その目的で使われているらしく、上には既に人が乗っている。


その人物を見た途端、少年の錯乱した脳は回れ右を命令した。
少年は考えた。


もう闇の妖精とか獰猛な動物とか敵が多いな…。


でもアリーブなら闇の妖精を見分けられるんじゃないか?

…いや、それじゃあ遅すぎる。

そうだ。

フンダー達を呼んでみるか?

あっちは恐らく起きてるだろう。


別れる時貰った伝書鳩で…。



其処まで考えて、少年は懐から、小さな伝書鳩を取り出し、トゥーグとクロウンに気づかれない様手紙を書き、鳩に結び付けた。


そして、トゥーグとクロウンに少し外の空気を吸ってくる、と言って外に出た。


森の殆どの生き物は目覚めていて、空気は清々しく、心地よかった。


伝書鳩に結び付けた手紙を確認して、空に向かって投げるように掲げる。


すると鳩は高らかにホーホケキョ!と鳴くと、快晴の空に向かって飛んで行った。


鳴き声が違う気がしたが、それはおいておこう。


少年は寝小屋に戻った。
そこで少年がストップをかけた。


「北の方ってここより、って事?」


クロウンは頷いた。


少年は何となく以前アリーブと話していた事を思い出した。


「明の妖精は、南の暖かい方に住んでるの。闇の妖精は、逆に北に住んでるの。闇の妖精は、凄い暗いから明の妖精が、闇の妖精を憎んでると思ってるの。」と。


少年は今更ながら、微かな疑いを持ち始めていた。


この二人は何かで化けているのでは、と。