怒鳴ったのは、紛れもなくマンフールだった。

「…てめぇで呼び出しといて逃げてるんじゃねえよ!!」


少年は慌てて弁解する。

「いっいや、違うんです。勿論普通に来てくれたのなら歓迎しますよ?で…でも、その乗り物とその格好は…。」

「…キモいってか?」

最早弁解になっていない少年の言い種にマンフールの怒りは隕石のように降り止む事を知らない。

少年は慌てて付け加える。


「いや、ちょ、ちょっとまってください。そういう意味じゃなくて…その格好は…。一つ海賊団を壊滅してきたみたいな…。……格好いいなーと思いまして!」

少年はあはははと汗だくで頑張った。
少年の頭の真上に「グー」が落ちてきた。

少年の笑顔はそのままに、顔の形が潰れ、横長になった。


「あ…は…あはは…。」


涙は出なかった。

悲しくもない。
ただ、悔しかった。


自分はこんな方法でこの世を去る…。

ふらぁっと魂が抜け、倒れかかった少年の体を、少年を打ちのめした人物は力一杯蹴った。


そのショックで魂が戻ってくる。

輪郭も治っていた。


「…誰が鳥の糞だって!?」

怒鳴る言葉が小屋を震わせる。
小屋に帰ると、クロウンが訊いてきた。


「外はどうなっていた?」


少年は必死にぶるんぶるん首を振った。


クロウンとトゥーグは訝しげな顔で少年を食い入るように見つめた。


少年は誤魔化す為、笑って続けた。


「鳥の糞がその辺にいたちびロバにかかってロバが鳴いて逃げ出しただけだった!あっはっはっ…」


しかし2人は既に少年の虚しい弁解を聞いてはいなかった。


真っ青になっている。


少年が漸く気づいた時-