「私は、はやく怪我を治したいから、キュールを先に見つけた方が嬉しいんだけど…。」

これはアリーブの言い分である。

「えー…。トゥーグがいいんじゃないのー?だってさ。今のうちらの戦力じゃなんかあった時やられるだけだし。トゥーグがいてくれれば、心強いってもんだよ。」

人間の2人は、よく知らないから余計な口出しは出来ない。

話は妖精達の中で勝手に進められて行く。


「仕方ないなぁ…。じゃ、別行動にして、さ。見つけたら、この鳩に手紙くっつけて飛ばして。あ、大丈夫。生きてないから。この鳩。私の能力で作っただけ。」

フンダーの言葉に少し躊躇して、アリーブは承諾した。

本心の所、そんなことしたくないのだが。


そして、2人はそれぞれのパートナーを連れて、別々の道を歩き始めた。
言葉で言って聞かないなら、と、少年はもう、一切の食べ物を片付ける事にした。


激しく反発されたが、それを無視してさっさと旅を続ける事にした。

いちご一つで満足していたアリーブは、苦笑いするばかりである。


「だけどさ。旅を続けるっていっても、手がかりもないでどうすんの?」

如何にもだるそうなフンダーの口調。

「…」

その通りである。

一体どこを探せば良いのか、見当もつかないのだ。

「…じゃあ、誰かに狙いを絞って探したら?」

唐突にアリーブは提案した。

「こう、さ。あの子はこっちにいそう。この子はあっちにいそう。って目的をコロコロ変えていたら、逆に見つかりにくそうじゃない?」

一同は同意し、早速誰を先に探すか、という話になった。

しかしまたもやここで意見がわかれてしまったのだ。
何をどうすればこの少年の人差し指程の大きさの小さな妖精の体にこれだけの量が入るんだろうか。

少年の視線の先には、思わず無言になる程の光景があった。

フンダーが、自分の周りに食べ物をタワーにしてとにかく集中的に食べ進めていた。

少年は、本気で感心した。

彼女は、スピードに拘ってはいない。

そう、彼女は食物の一つ一つに感謝して、味わうことを何よりも大事にして食べているのだ。
…なんていうことを、真剣に考えてしまった少年は、自分に腹が立った。