アリーブは一瞬驚いて立ち止まった。

しかし、また近づいて行き、更に呼びかけた。

「やだなぁ…。私もう、子供じゃないんだから、からかわないでよキュール!」

そう親しげに言うとキュールが唐突に睨んで言った。

「五月蝿い奴だな。邪魔なんだよ。失せな!」

アリーブはただただ、唖然とするしかなかった。

そして同時に、胸にひどく衝撃を受けていた。

「え…。嘘でしょう?いつも私の事を一番に考えてくれたキュールに限ってこんなことある筈ない…。」

するとキュールはふっと笑って残虐な言葉を吐いた。

「はっ。お子様にも程があるな。みんながお前に本気で優しくしてたとでも思ってた訳?甘いね。みんなで影であんたの愚痴を口々に言ってた事も知らずにねぇ…。」

アリーブは真っ青になって耳を塞いでいた。

キュールはその様子を見て、ひどく楽しそうに、一拍おいて言い放った。

「あんたなんか、ずっと大嫌いだったんだよ。アリーブ。」
水のたっぷり入った木製のバケツを持った……妖精がいた。


その名は、まさしく探し求めていた、キュールだった。


「な…」

アリーブは最早絶句するしかなかった。

あまりにも唐突過ぎたのだ。

少年もアリーブの様子を見て察しがついたようだ。

「アリーブ…ま…まさか…。」
「そのまさかだよ。」

驚きはしたも、幸運には変わらない。

さっそくアリーブはキュールに近づく。

「キュール!」

呼びかけにキュールは反応してアリーブに視線を向けた。

…が、すぐに何事もなかったかのようにキュールはアリーブから目を背けたのだ。
「…私の予想だと、キュールは、どこかの医療関係の所にいると思うの。」

二人だけになり、アリーブは切り出した。

少年は同意する。

「…と、なると、有名な医療集団の集落所があるんだが…。そこかな…?」

少年の言葉にすぐさまアリーブは反応する。

「えっ。それ、どこ??」

少年は地図を指差しながら言った。



「ここがこの場所なら、えーと………。あった。ここだ。近すぎて見つからなかった。すぐそこだ。」



少年は前方を指差した。


と、その指の先に-…