よく見られる不整脈である、心室性期外収縮(PVC premature ventricular complex)は、心臓の内部の心室の組織、心臓の筋肉、心臓を拍動させる電気的刺激を伝える刺激伝導系、心臓の弁、動脈などから発生し、予期されるより早期に異所性興奮が発生する状態をいいます。
心室性期外収縮(PVC)は、加齢ととも増加する傾向があります。PVCは、多くの場合には、良性の不整脈です。
PVCの症状は、動悸、胸部不快感、胸痛、めまい、脈が飛ぶ感じなどさまざまですが、健診の心電図などでPVCを指摘されたが症状が無い場合もあります。
PVCの診断は、心電図によりなされます。
PVCは昼と夜間とで発生頻度が異なることがあり、治療方針の検討のためには、24時間記録する長時間心電図(ホルター心電図)によってPVCの発生頻度や形態などの出現様式が精査されます。
PVCの治療方針は、背景となる心臓疾患(基礎疾患)が有るか無いかにより異なります。
PVCの背景となる心臓の基礎疾患としては、心筋梗塞などの虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症などがあります。
PVCが発生する心臓疾患の有無を調べるためには、心臓エコー検査や心臓MRI検査などが行われます。
PVCが発生する背景となる基礎疾患がみられない場合には、基本的には治療の必要がなく、日常生活の制限もありません。
ただし、PVCの発生頻度が多くて症状が強い場合には、QOLの向上のために治療が行われる場合があります。PVCの治療方法としては、、生活習慣の改善、薬物療法、根治療法としてカテーテルアブレーションによる治療があります。
PVCは睡眠不足や過労、ストレス、喫煙や飲酒やコーヒーの多飲により増加する傾向があるため、まず、これらを回避する必要があります。
薬物療法によりPVCの発生頻度を減らして、症状が改善すれば、QOLの改善をはかることが期待できます。多くの場合、PVCの発生頻度を減らして症状を改善させるために薬物療法は有効です。
カテーテルアブレーションによる根治療法については、薬物療法が無効なときや、患者さんの強い希望がある時に検討されます。
検査により、PVCの背景となる心臓の基礎疾患が明らかになった時には、PVCの治療が行われる必要がある場合があります。これには、
PVCが致死性の危険な不整脈の発生を誘発する恐れがある場合、PVCが発生する数が多く心臓の機能を低下させる恐れがある場合などがあります。
24時間記録する長時間のホルター心電図の検査によるPVCの発生頻度や形態などの出現の仕方の検討や、心エコー検査などによる心臓の機能の低下の有無の検討により、危険な不整脈の出現のリスクやPVCによる心臓の機能の低下のリスクが検討されます。これらのリスクがあると判断された場合には、上記の生活習慣の改善のほか、薬物療法や、場合によりカテーテルアブレーションによる治療も検討されます。
PVCそれ自体は危険な不整脈ではありませんが、健診などの心電図で、PVCの発生する数が総心拍数の1割を超えている場合などには、PVCの背景となる心臓の基礎疾患とともに治療の適応になる場合もありえますので、受診をされた上で、精査の適応につき検討をされた方がよいと思われます。
