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つれづれレミゼ

2007年レミゼデビューを果たした初心者が、レミゼや舞台に対して思うところをつれづれなるまま書き記す場所です

本日2016/1/10ですが、記録できていなかった2013年の観劇総括などを今更書いてみます。


この年は、『スリルミー』、『Next to Normal』、『二都物語』に通った年だったんだな。N2Nと二都もまた見たいな。


芳雄くん出演作品がこの年はとてもよくて、『二都物語』のシドニー・カートンも、『イーハトーボの劇列車』の宮沢賢治さんもとても芳雄くんの良さがよくでている人物で、かつ、芳雄くんでなければ、という存在感があって嬉しかったです。『イーハトーボの劇列車』の宮沢賢治さんは、どちらかというとダメ人間なので、きっちりと父親と宗教問答で負けている芳雄くんの賢治さん、素晴らしかった。あの負けた感じがあるからこそ、その次の「ぼくはそれでもいいのです」という台詞の説得力と透明感がでるのだと思うから。


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[凡例]
◇芳雄くん関連
◆銀ちゃん関連
☆フィギュアスケート関連
*遠征


1月
・ゲキシネ「SHIROH」(渋谷HUMAX)
・銀河英雄伝説@TAKARAZUKA(博多座)
・ピアフ(クリエ)
・ゲキシネ「髑髏城の七人」(渋谷HUMAX)
・飛龍伝(本多劇場)
☆国体(代々木体育館)


2月
・テイキングサイド(銀河劇場)
・熱海殺人事件(紀ノ国屋劇場)×2
・熱海殺人事件40周年イベント(紀ノ国屋劇場)
☆関西フリー大会(臨海)*


3月
・発情ジュリアスシーザー(青山円形)
・スリルミー(良知&小西)(銀河劇場)×4
・スリルミー(松下&柿澤)(銀河劇場)
☆全九州(アクシオン福岡)*


4月
・銀河英雄伝説(青山劇場)
☆国別対抗戦(代々木体育館)
◇レチタカルダ(芳雄くん)(浅草東本願寺)
◆早乙女太一主演公演 神州天馬侠(明治座)
☆プリンスアイスワールド(新横)


5月
・ゴドーは待たれながら(水戸芸術館)
・Stars(シアターオーブ)
・Stars(神奈川県民ホール)
・アジア温泉(新国立劇場)×2
・大野&ウィーン交響楽団(オペラシティ)
・スウィーニートッド(青山劇場)


6月
・ハイバイ「て」(東京芸術劇場)
・Art On Ice(代々木体育館)
・イキウメ(シアタートラム)
・レミゼラブル(帝劇)×2
◆早乙女太一 "原点進化"(PARCO)
・ブロードウェイミュージカルライブ(国際フォーラム)×2
☆DOI(新横)
・新体操ユースチャンピオンシップ(東京体育館)


7月
・FaOI(マリンメッセ)×2
・パピオチャリティー(パピオ)
・風月主(アミューズ)×2
☆プリンスアイスワールド(東伏見)
・東海道四谷怪談(歌舞伎座)
・カリオストロ伯爵夫人(サンモール)
◇二都物語(帝劇)


8月
☆飯塚杯(飯塚アイスパレス)
◇二都物語(帝劇)×3
・宝塚BOYS(クリエ)
☆サマートロフィー(アクアリンク千葉)
・春琴(世田谷パブ)
・銀河英雄伝説~初陣~(日本青年館)
☆FOI(新横)×2
・兄弟は勇敢だった(アミューズ)


9月
☆パピオカップ(パピオ)*
・Next to Normal(クリエ)×4
・ロミオ&ジュリエット(オーブ)×2
・ジャンヌダルク(世田谷パブ)
・ゲキシネ「蛮幽鬼」(バルト9)


10月
・ロミオ&ジュリエット(オーブ)
☆東京ブロック(東伏見スケートセンター)
・Next to Normal(兵庫芸術劇場)*
☆関東ブロック(新横浜スケートセンター)
☆ウィンタートロフィー(新横浜スケートセンター)
・イーハトーボの劇列車(サザンシアター)


11月
☆西日本選手権大会(京都アクアアリーナ)*
☆全日本ジュニア(ガイシ)*
☆NHK杯(代々木体育館)
・イーハトーボの劇列車(サザンシアター)*
☆長野県国体予選(やまびこの森アイスアリーナ)
・レミゼラブル(帝劇)


12月
☆GPF(福岡)*
☆全日本選手権・MOI(たまアリ)

(以下ネタバレ気にせずに語りますよー)

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今度は良知&小西について。


そもそも始まりは、2012年07月公演で観た良知&小西がすっごく好みだったことなんです。良知レイの情感が濃くて、小西彼に触れた指先が熱を帯びているように思えるのがすごく好きで。頬に触れる、手を握る、背中に手を回す、だだそれだけのしぐさなのに、良知レイの、小西彼に触れたいという気持ちが溢れてくるようで、観ていてかなりどきどきしたのを覚えてます。優しげで比較的良識的に見えた小西彼に対して、良知レイのいっちゃってる感半端なくて、最初から良知レイが前のめりでぐいぐい押してる風に見え、小西彼、逃げて逃げて!と思ったものです(小西彼はあまりにも綺麗で、罠にかかった綺麗な蝶々のように見えたという……)。ただ、1回だけの観劇だったので、良知レイの小西彼に対する思いがいったいなんなのかーそれは愛なのか、執着心なのかーはつかみ切れず、そこをちゃんと感じたいなと思って、今回の観劇になりました。


で、今回の観劇だけど…。合計4回観たんですが、観るたびに印象が違っていて、結局のところ結論には至らなかったというのが正直な気持ちです……。それでも、毎回毎回、いつも思うのは、切ないなぁという気持ち……。やっぱり、松下&柿澤であっても、良知&小西であっても、できれば幸せになって欲しい、どうにか悲劇を回避する方法はないだろうか、と思いながら見守るから、最後はいつも苦しい気持ちになります…。


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毎回毎回見るごとに少しずつ二人の関係性は違っていても、共通していた印象は、良知レイがものすごく小西彼を求めているという点。その求め方は、松下レイの思いが情愛にベースを置いていたのとは真逆で、もっとがむしゃらに自分のものにしたいという暴走した思い(それはもはや狂気といっていいのかも)がベースになっていたように感じました。


でも、これは今回の小西彼が相手だったらしょうがないことのような気がする。


今回、小西彼の造詣が2012年07月公演とかなり変わっていて、ひどく硬質で冷えた人物になっていた。それも、単に性格がクールだとか男性的とかいうのとは違う、なにかもっと病的で、根本的に心を無くしてしまったような熱のなさ。特に16日、17日に見たときにそのイメージが際立っていて、どんなに良知レイが心と思いを小西彼に向けても、小西彼は全く表情を変えずなんの気持ちも返ってこない。そこにいるのは心の無い綺麗なお人形みたい。そんな一方通行の関係を続けていたら、そりゃあだんだん壊れていくよと思いました……。


良知レイは、「スリルミー」でのがっつき具合がすごいんだけど、もしかしたら、物理的に体を触れ合っているときだけが小西彼の存在をちゃんと感じられるときなのかもと思うと、あんなにがむしゃらに求めるのも分かる気がする……。16日は、下手側ステージサイドで観ていたので、良知レイが小西彼に向ける表情がよく見えたんだけど、良知レイって小西彼と触れ合っているときの陶酔した表情と、小西彼が離れていったときの切なげな表情のギャップがすごい。それを観て、どんだけ小西彼のことを求めているんだー、と切なくて切なくて……。


ただ、小西彼が何か壊れたものを抱えていたのと同時に、やっぱり良知レイにも、もとから何かバランスの危うい部分があったのだろうとも思います。いったん感情が高ぶると自分ではコントロールできずにそのまま暴走してしまうような精神面の幼さ。小西彼をあれだけ求めておきながら、良知レイの「スリルミー」は全く甘さがなくて、まるで勝負を挑むような強い調子なんだけど、あれも"欲しい"という感情が暴走しまくっている状態なんだろうなと思います(松下レイ&柿澤彼の「スリルミー」はなんだかんだ甘さがあるよね…)


もともとバランスの危うい部分があった良知レイが、一方通行のまま小西彼に気持ちを傾け続けているうちに、その思いがどんどん増幅されていって暴走し、しまいには自分でも制御不能の怪物にまで育ってしまった、というのが良知レイと小西彼の物語だったのかなと思っています。…自分は基本的にレイに肩入れして観てしまっているので、それがとても切ない……。良知レイだって、望んでこの結末を迎えたわけではないだろうに、と。


じゃあ、良知レイが小西彼に傾けた思いって、なんだったの?と考える。それは愛なのか、執着心なのか、支配欲なのか。


多分、それでもあれは愛だった、と、私は思いたいんだろうな。うーん。でもこれはただの感傷だな…。結局「愛」とはなんだろうか、ということを考えてしまう。優しく慈しむ気持ちも愛、相手を欲し自分のものにしようと暴力的な力で巻き込むものもまた愛、なのかも…(「残酷な神が支配する」を思い出してしまうよね…)。答えなんて全然出ないけど、またぜひ次回上演のときにも良知&小西ペアに演じて欲しいです。そして、良知レイと小西彼を見ながら、あれこれ考えを巡らせたいなと思います……。


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今回、良知&小西は4回観たんだけど、アウトラインは一緒でも、日によって細かなニュアンスや熱量が違っている。良知レイの思いに対して小西彼がどういうふうにレスポンスを返してくるかが大きなポイントなんだけど、小西くんの熱量が毎回結構違っていたので、それを受けて良知レイの心の動きもかなり違っていたように思います。それを解釈するのに、毎回毎回、我ながら沢山いろんな妄想しまくりましたよ……。でもそれがスリリングでとても楽しかった!(我ながら妄想力を鍛えられた感じがする……)


16・17日に観た時は、とにかく小西彼が心の無さが際立っていて、良知レイの一方通行っぷりが痛ましかった。この日の小西彼は、人を愛するとか好きになるといった人間的な感情を持っているのか!?という点からして疑問で、どれだけ妄想で補っても、良知レイの一方通行の道しか見えなくて。その結果、良知レイは、あのままいったら小西彼を殺して自分のものにするしかないくらいまで追い詰められてしまって、それでも彼には生きていて欲しいから、ぎりぎりのところで最悪を回避しようとした結果があの形なのかもしれない…、なんてことを思ったんです……。この日の良知レイは、小西彼への思いが暴走している一方で、自分の心が小西彼に届くことは絶対にないということを冷静に理解していそうで切なかった……。


この日の「死刑、それでも構わない」(台詞はかなりうろ覚え)というときの良知レイの表情が物凄く印象に残っているんだけど、それまでは若干ホラー気味の狂気の笑みを浮かべているのに、その一瞬だけは、何か痛みをこらえるような辛そうな表情を見せたんです(オペラグラスで覗いていたけど、見間違えでなかったら、この瞬間に涙を流していたような…)。いつまでもいつまでも自分の心が小西彼に届かないのだとしたら、もしかしたら、良知レイにとっては一緒に死刑になることが一番の望みだったのかもしれない…。それでも彼に生きていて欲しいという気持ちとの葛藤の中で、死刑か、終身刑か、どちらにでも転べるような形にして、あとは運命を司法に任せたのかも、なんてことさえ考えてしまいました………。


どれだけ妄想力を駆使しても、この日の二人にはどこにも出口がなくて袋小路で、切なかったです……。(いや、そもそもその解釈が妄想だからというつっこみもありますが…)


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20日のときはまた印象が違っていて、この日は小西彼がちゃんと体温のある人間に感じられた。多分、この日は芝居の掛け合いがすごくよかったからだと思います。二人で感情を投げかけあっているうちに、小西彼がいつもより体温高めで(でもほかの人に比べたら低い)心もオープンになっていったように感じました。


私、良知レイと小西彼の「優しい炎」が大好きなんですが、この日は特に印象深かったです。小西くんの歌声がよく伸びて良知くんの歌声をしっかり受け止めていたこととか、小西彼の胸に頭を預ける良知レイがものすごく無垢な表情をしていたこととか、多分そういうのを感じ、観ているうちに、良知レイと小西彼の心が確かに重なり合っているように思えてきて。それが余りにも美しくて、そして同時に儚くて、見ていて酷く胸が痛みました…。だって、その幸福な時間はほんの一瞬のものだということを知っているから…。


この日の良知レイは、その後の感情の暴走っぷりがすさまじくて見ていて痛ましかった(ただでさえ二人の芝居の掛け合いに熱があったので、どんどん熱量が増幅していって、ものすごい触れ幅になってた)。16、17日の何か後ろ向きに諦めていたような良知レイとは違って、たとえ身を滅ぼしてでも何がなんでもどうしても小西彼が欲しい!!という感情が暴走していたように思える…。


でも、それも、あの甘やかな「優しい炎」の時間を知っている良知レイだったら仕方ないと思えてしまって。あの幸福な瞬間を永遠のものにしたいという思いが強すぎて、良知レイは壊れてしまったのかも。その甘やかさを知らなければ諦めることもできたかもしれないけれど、一度知ってしまった以上恋焦がれる気持ちの暴走を止められなくなったのかも…、と。34年後のモノローグで、良知レイは「すべてはあの一本のマッチが始まりでした」(台詞はかなりうろ覚え)のあと、カッと目を見開いて物凄い狂気の表情を浮かる(真正面の席で観てしまったので、本気で怖かったです…(涙))。一本のマッチ=あの炎の夜の一瞬の甘やかさがすべての始まりだったのかもしれないです…。


本当にこの日は二人の芝居の熱量に圧倒されて、飲み込まれるように見入ってしまって、観終わったあと、私、スタオベするにも足が震えて立てなかったくらい…。とても幸せな観劇時間だったなぁ…。


そして、見終わったあとで自分のうちに残るのは、やっぱり切ないという感情。16、17日の切なさとはまた違う切なさで。この日の二人だったら、もしかしたら悲劇を回避できたんじゃないかと思えてしまったから。この日の小西彼は破滅的ではあってもちゃんと血の通った人間に見えたから、良知私の思いを受け入れることもできたんじゃないと思ってしまって…。良知私は自分の中の執着心という怪物(もとは愛だった)が狂気にまで育っていることを自覚しながら、自分では暴走を止める術がなく、悲しみながら狂気に身を委ねているよう。それを止められたのは、小西彼だけだったんじゃないのんじゃないの?それが出来ていたら、二人は狂気の悪夢から抜けられたかも………、と、そんなことをつらつらと考えてしまったのでした。


(いったんここで記事アップ)

(以下ネタバレ気にせずに語りますよー)

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まずは松下&柿澤から語ってみようかと。


このペアを観たときの一番最初のインパクトは、柿澤彼の甘えっぷりの酷さ!!全身投げ出して松下レイに寄りかかっているような。良知&小西は小西彼が良知レイに全く心を許していないように見えていたから、真逆でびっくりしたーー!!


何でそんな風に感じたのかを考えると、多分、柿澤彼がすごく無邪気に、心のままの表情を見せていたからだと思う。これも小西彼と比べてぜんぜん違うんだけど、ほぼ表情を変えない小西彼に対し、柿澤彼はほんっとくるくる表情変わる。…っていうか前半ほとんど笑顔じゃなかったか!?(もちろん意地悪っぽい笑みもあれば、面白いこと思いついた!的な小悪魔的笑みもあり、いろいろバリエーションはあるんだけど、基本笑顔…)。松下レイの前では何も取り繕うことないし、それが受け入れられることを微塵も疑っていないから、あれだけ心のままに表情を出せるんだろうなと思う。


そしてまた、松下レイがそれを受け入れちゃうのよね。柿澤彼のわがままや勝手さに翻弄されて困っているように見えるけれど、分かったうえで翻弄されているように思えるし、何よりも彼に対する思いのベースが、慈しみや優しさといった情愛であるように感じたのです。


それをすごく感じたシーンが2つあって、ひとつは殺人計画のところ。最初は「弟を殺そう」と柿澤彼は言うけれど、松下レイは「彼も家族だ」と必死に止める。その必死さが良知レイとかとは全然違っていて、柿澤彼に家族殺しをさせたくないというすごく切実な思いを感じた…。で、そのあと「殺すのは別の相手」と柿澤彼が言ったことにほっとして、殺人をすることそのものについては、妥協してしまったように見えた。(殺人そのものを止めなかったらその先の悲劇を止められないのに………(涙))


もうひとつもやっぱり家族がらみで、脅迫状をタイプするシーン。柿澤彼の「俺が誘拐されても親父は金をださないだろうな」に対する松下レイの、「そんなことないよ、きっと心配するよ」(台詞は相当うろおぼえ)がとても真摯で、彼の孤独を一生懸命埋めようとする気持ちがこもっていて、なんかそれだけで泣けた。必死さがいじらしくて切なかった…。


この二人は、芝居空間の中に二人でいることがすごく自然で、隣に相手がいることがしっくりくる。それは多分、今回が3演目になる松下くんと柿澤くんが、プライベートでも一緒の時間を沢山過ごしたことで身に着けたものなんだと思う。ツーカー感が強くてお互い一緒にいることに疑いをもっていなくて、幼少のころから一緒に時を過ごしてきたんだろうなと想像させる親密さ。だから、きっと松下レイは柿澤彼の家族のこともよく知っているし、幼いときからの柿澤彼の痛みもよく知っていて、それが家族に関する台詞の真摯さにつながっていたんじゃないかと思ってます(幼い頃の柿澤彼が傷ついたときに傍にいてくれたのは松下レイだったんじゃないかとか妄想)(妄想過多なのは承知しています、ごめんなさい……)


全体の印象としては、松下レイがあともう少しだけ大人で、知識や経験、何より柿澤彼以外の人間との関係を持っていたら、悲劇を回避して幸せになれたんじゃないかという気持ちがあって、それがものすごく切ないです……。でも結局、柿澤彼に寄りかかられることをよしとし、一緒に立とうとしなかったことが、松下レイの弱さであり、共依存の部分だったんだなと思います。


スリルミー好きのお友達と、松下レイと柿澤彼はどうしたら幸せになれるのかを散々検討したんだけど、結論としては、松下レイが一回本気で柿澤彼と喧嘩をするべきだったんだろうな、と。柿澤彼の甘ったれで世間を舐めている部分をちゃんと突きつけて、本人に自覚させなきゃいけなかった。でもそれが出来ないのが松下レイの弱さと幼さで。柿澤彼が松下レイに寄りかかっていたのと同じくらい、松下レイも柿澤彼の存在に自分のアイデンティティーを置いていて、柿澤彼が傍にいない自分なんて想像できなかったんだろうな…。


多分、二人は一度離れて、それぞれ一人だけで歩いてみなくちゃいけなかった。物語の冒頭、半年間松下レイの前から姿を消していた柿澤彼が再び姿を見せるところから始まるけれど、これが半年でなくせめて一年あったら結末が変わっていたんじゃないか、とか思ってしまうのですよ…。一年あれば、松下レイはなんとか立ち上がり柿澤彼以外の人間との関係を構築して、そして他者との関係を持ったうえで柿澤彼と再会していたら、柿澤彼と本気で喧嘩できたんじゃないかな、と…。ほんとにあそこで何故一年間我慢できなかった、柿澤彼!!(私の脳内では、半年で我慢できなくなったのは柿澤彼のほうだったのだろうという結論になってます。「お前にとっては長くてつらい半年だっただろうが」って台詞、半年が長くてつらかったのはお前のほうだろう!とつっこみ。)


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こんな感じで、二人の関係性についてはかなり妄想過多です。お恥ずかしい…。


で、肝心の松下レイが彼を落としいれようとしたのはどういう心の動きだったのだろう、という点ですが、実はいまひとつ追いかけられずに終わってしまった……。すみません。かろうじて考えたのは、柿澤彼の殺人を止められなかったとき(前述したように、それは松下レイの妥協に思えた…)に、万一彼がこれで捕まるようなことがあっても、一生一緒にいられるようにするために仕掛けたのかな、とかそんなことだったのですが……。いや、多分違うな……。


私は松下レイには健やかさをみているので(スリルミーを歌うときでさえ、あまり壊れた感じは受けなくて、まあ10代だから欲しくて堪らないのはしょうがないよね、と思いながら観てしまったという…)、柿澤彼を打ち負かしたいとか、執着心が暴走したとか、そういう昏い心の動きはあまり感じられなかったのです。だから、もし松下レイが柿澤彼を嵌めようとするのだったら、唯一、柿澤彼のことを信じられなくなったということ以外考えられないのだけど…。このあたり一回観劇だと限界があります……。次回公演に期待しています。もう一度二人の関係をじっくり検討してみたい。


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あとですね、松下レイ&柿澤彼で見たときだけ、私の中に湧いてきた感情があって…。それは、この二人の犯罪が許せないという気持ち。34年後の松下レイは、柿澤彼に先立たれ、どうしようもなく孤独で、最早心が壊れてしまっているように見える。その松下レイの姿に胸が痛むのと同時に、同じように愛するものを理不尽な暴力で奪われた被害者の両親のこと、理不尽に未来を奪われた被害者のことを思ってしまう。


多分良知レイ&小西彼は、良知レイが狂気に足突っ込んでいることや、小西彼の虚無感と非日常的な美しさが相まって、非常にフィクションの肌触りが強い。そのために二人の犯罪のことまで思い至らないんだと思う。


だけど、松下レイ&柿澤彼の場合。柿澤彼の、世間を舐めきった幼さが暴走してしまった犯罪は、………なんかリアルだと思ってしまった(最近の少年犯罪ってそれこそはっきりした動機なんてなく、稚気の暴走が多いように思うので)。そして松下レイが、柿澤彼への愛ゆえに、あの犯罪に乗ったのであれば………、自分が柿澤彼を愛しく大切に思うように、被害者のことを愛しく大切に慈しんでいる人たちがいたことに思い至って欲しかった………。あんなに柿澤彼の痛みを感じ取って、痛みから守ろうとしていた松下レイだったら、できないことじゃなかったんじゃないの……


松下レイ&柿澤彼のことを沢山沢山妄想して、彼らのことが大好きになったからこそ、あの二人の犯罪が本当に悲しい。二人には幸せになってほしかった。34年後の松下レイの姿はとても痛ましいけれど、彼らがしたことを思うと、自分の痛みや悲しみに酔わず報いをしっかり引き受けて欲しいと、そんなことを思ってしまいます……。


(物語とリアルを混同してしまってごめんなさい……)


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役者について。


柿澤くん、舞台は初見。その前に勇者ヨシヒコとかスナックらららのゲストで、映像は見ています。歌が上手との前評判だったので期待していたけど、この日は2演目だったのでちょっと残念だったなぁ…(やっぱり中1.5時間で2演するのは相当きつそう…。二人芝居で出ずっぱりだし)。とにかく楽しそうに生き生きと舞台を勤めていたことが印象的でした。小生意気な笑顔が可愛いっっ♪♪ ロミオ、観にいきたいなー。


松下くん。リタルダンドの鋼太郎さんの息子役で一回見ているかな。そのときに比べて、役者としての存在感がすごく大きくなった気がする!(まあ、リタルダンドは相手役が鋼太郎さんだったり、山崎一さんだったり、市川しんぺーさんだったりで、上手い人たちばっかりに囲まれていたってのもあるけれど)。スリルミーは私がレイに肩入れして見がちなので、その比重が大きくなるのは仕方ないのだけど、しっかりと構えて、柿澤くんのはしゃぎっぷりを受け止めていて、すごくいいなぁと思いました。(このあたりの二人の素のありようが、そのまま松下レイ&柿澤彼の関係性につながっているように思う)


20日の観劇を終えたあと、松下くんのブログの↓の記事を読んで、ちょっときゅんとしてしまった。そうだよ、舞台役者はみんな命を削ってあの場所に立っている!それを見たくて劇場に通っています。こっちも命を削りながら舞台を見ているよ!! どんな役者さんに育っていくのかがすごく楽しみー。今後の活躍も期待してます。
http://www.kouheiweb.com/?p=diary&di=959797