シモン・ドゥセー…岩崎大
ヴァリエ・ド・ティリー伯爵…村上幸平
ジャン・ビロドー…奥田努
マリー・ロール・ド・ティリー伯爵夫人…カサノボー晃
マドモアゼル・リディエンヌ・ド・ロジェ…新納慎也
聖ミッシェル神父/ユー男爵…藤原啓児
ユー男爵夫人/奴隷の少女…松本慎也
晩年のシモン/シモンの父親…重松収
ジャン・ビロドー司教…河内喜一朗
紀伊国屋ホール N列
--------------------------
☆昔っから名前だけはずっと知っていたスタジオライフ。今回招待券プレゼントに当選し、初めて足を運んだのですが、かーなーり、よかった。演目が自分的にあたりだったんだろうなぁ。
☆お話。1952年、カナダ郊外の刑務所。囚人たちの告解をきくためにおとずれビロドー司教は、突然看守や囚人たちに監禁される。そして、彼の目の前で囚人シモンの計画による囚人たちの手の込んだ芝居が始まる。そこには40年前の自分の姿があった。奔放な少年シモンと惹かれ合うヴァリエ。そんなふたりに嫉妬心を抱くビロドー。修道院で出会った少年達に何があったのか、封印された過去の悲劇がよみがえる…(公式HPより)
☆つまり、劇中劇の形式なんです。看守や囚人たちの劇、って設定。だから女の役を男が演じることに全く違和感がないのね。今までスタジオライフはオールメール芝居ってところにちょっと抵抗があったのだけど、これはすんなり受け入れることができました。
☆まず感心したのは、劇場が紀伊国屋ホールってところ! 紀伊国屋ホール、はじめて行ったんですが、歴史の古い劇場なだけあって、ロビーは薄暗いし、劇場の椅子も古くてキイキイ音がなりそう。ここだけ昭和に取り残されているみたい。でも、そのどこか異空間な雰囲気が、このLILIESの持つ不安定な感覚にすごくよく合ってた。他のどこの劇場でも、この感覚は味わえないと思うなー。
☆ビロドー司教の一言から芝居が始まるのだけど、すでに劇場の雰囲気からしてその世界に取り込まれていた私は、あっという間に別世界に行くことができました。この、舞台の上の別世界に自分まで取り込まれるような感覚、すごく久しぶりだった。やっぱりこれは大劇場じゃ味わえないよねー。休憩無しの2時間半、ずっと取り込まれたまま集中して観ていました。
--------------------------
☆役者さんは、ティリー伯爵夫人のカサノボーさん、リディエンヌの新納くん、晩年のシモンの重松さんあたりの客演陣がとてもよかったです。特にティリー伯爵夫人のカサノボーさんがすごかった…。周りには嘲られながら、「自分は貴族で、フランスの夫が自分たちを迎えに来てくれる」と信じている女性の役どころ。もう狂気に近いところに足を踏み入れているんだけど、周りの嘲りになんて耳を貸さず、自分の信じるものに向かって凛とする姿には胸打たれました。
☆若手のなかでは、奥田さん演じるビロドーに感情移入しちゃった。美しいシモンを自分の神と崇めて、あこがれて、彼の役に立ちたくて、自分以外と一緒にいる彼が許せなくて。私には一番純愛なのはビロドーだと思えたよ(これはシモンとヴァリエの役者さんの力不足のせいもあると思う)。
☆シモン役の岩崎さん、見目はとてもいいのだけど芝居が残念…。全く感情移入できなかったせいか、シモンが愛されていることに傲慢なエゴイストに思えました。
☆この芝居、キャストが3通りもあるんです。ひとつ間違いないことは、役者が変わればまた全く違う物語に見えるんだろうなぁ、ってこと。もう東京公演は期日がないので、他のチームをみることは叶わないのですが、それがとても残念だなー。