「父と暮らせば」6/14(土) ソワレ 紀伊國屋サザンシアター | つれづれレミゼ

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2007年レミゼデビューを果たした初心者が、レミゼや舞台に対して思うところをつれづれなるまま書き記す場所です

サイゴンが始まっちゃうまえに、書きそびれてた感想をアップしようシリーズその1。


辻萬長
栗田桃子


去年ロマンスでこまつ座を始めて観て、地味だけど、すごく自分好みだ!と思ったのです(いや、地味なところが自分好みなのかもしれない)。で、今回は前々から気になっていた「父と暮らせば」を再演とのことで、これはいっとこうー、と足を運びました。


舞台は終戦後の広島。静かに日々を暮らす美津江の前に、突然死んだ父・竹造が現れる。竹造は「恋の応援団長」を名乗って、美津江の淡い恋に懸命なエールを送るが…。


最初から最後まで柔らかい広島弁で語られる、ヒロシマの物語。日本人が演ずるべき物語だなぁ、と思いました。もう、胸がいたくて、涙が止まらなかった。私、ついあれこれと観た作品のことを論じたくなるのだけど、この作品は、そういう行為がとてもおこがましいことのように思える。胸にせまってきた感情と涙、それが全てだと思うのです。


思ったことは、かくも人は素晴らしく尊厳に満ちているのか、ということ。あの悲惨さの中で、父は娘を必死に生き延びさせる。その気高さ。生き延びた娘は、罪悪感にさいなまれ、生き残った自分を責め続けるけれど、最後は父に背中を押されて、一歩を踏み出す。その希望の在り方。ラストの台詞がとても好き。なんて美しい言葉だろう。戦争の悲惨さ、残酷さにどれだけ苦しめられ、傷つけられたとしても、あの美しい言葉を持つことができるんだ、と。自分はちっぽけで美津江さんや竹造のような根性なんて全然ないけど、でも、あの言葉に励まされるような気がしたよ。


これ、宮沢りえ主演で映画にもなっているんですよね。機会があれば、是非観てみたいです。