ルドルフ ザ・ラスト・キス 5/31(土) ソワレ | つれづれレミゼ

つれづれレミゼ

2007年レミゼデビューを果たした初心者が、レミゼや舞台に対して思うところをつれづれなるまま書き記す場所です

ルドルフ ザ・ラスト・キス 5/31(土) ソワレ


ルドルフ…井上芳雄
マリー・ヴェッツェラ…笹本玲奈
ステファニー…知念里奈
ラリッシュ…香寿たつき
フランツ・ヨーゼフ…壤 晴彦
ヨハン・ファイファー…浦井健治
ツェップス…畠中 洋
ウィルヘルム…岸 祐二
エドワード…新納慎也
ブラットフィッシュ…三谷六九
ターフェ…岡 幸二郎


帝国劇場 2階L列上手


(以下、ネタバレあります)
--------------------------


先週分感想書けてないので、実はこれで5回目です(先週はトークショーつきの日曜ソワレで、そのあとこともあろうに仕事に行ったりして、書きそびれました。平日は書いてる暇ないし)。


なんだか今日は沢山泣いてしまったよ(いくらでもすぐに泣けるので、私の涙なんて大変安い涙だけどね)。役者さんたちが皆それぞれ役を深めてきて、味わいがでてきたからこそ、いろいろ胸に染みたんだろうな。


ルドルフと父のやり取りのシーンがいいなぁ。とくに2幕。開幕直後はまだ台詞をなぞっているように感じられた芳雄ルドルフと壤ヨーゼフのやりとりが、いまはがっつり組み合っていて見ごたえがあります。壤さんがとてもお上手で、なんだか今日は、息子を愛しているけれど、皇帝として決断しなければならないというシーンで胸が痛くなりました。フランツは愛すべき息子に自分の帝国を継がせたいと望んでいたのだろうから、ルドルフを廃嫡するという決断は身が切られる思いだっただろうな。ルドルフに「公の場で何もものを言うな」というのだって、ああすることが息子を守るための精一杯の手立てなのに、ルドルフには伝わっていないしね。切ないですね。(先週「わが魂は~」を観てきたけれど、そういえばあれもいわば死して後、はじめて分かりあった父と子の物語だったな)。


芳雄ルドルフは魂削って演じてます、という感じ。最近さとしさん風に一部を台詞のように叫ぶことで激情を表すようなやり方をしているのだけど、この演目ではそれがとてもよいと思います。沢山胸に響くシーンがあって、でも、歌詞までは覚えてないのでひとつひとつ書き留めることはできず…。「明日への階段」は観るたびにどんどんよくなってます。今日はなかなか拍手が鳴り止まなくて、ショーストップ気味でした。前回観たときに、市民に呼びかけその手をとるルドルフを見て、あー、ルドルフは国民の一人一人を皆幸せにしたかったんだなぁ、一人も飢えることなく、全員が幸せになる世の中を作りたいと願っていたんだなぁ、と思って切なかったです(それは無謀な夢物語だよね。政治をする人間は、ターフェが言うよう冷静に客観的に事態を分析して、時には何かを切り捨てなければならないときがあるだろうから。それがルドルフの甘さだなぁ)。


あと今日は特によくなったと思ったのは、笹本マリー。マリーの気持ちの流れがすごくよく分かった。最初に舞踏会でルドルフと出会ったとき。そのときはまだ憧れの人とお話をした、ダンスをおどったと舞い上がっているだけだけれど、その次のスケート場のシーンで恋人同士の振りをしたときに本気で恋に落ち、一幕ラストでは、どんな障害があろうとルドルフを愛することに迷いがない。今日は一幕ラストのマリーの大曲が胸に迫ってきたよ。そんなマリーだからこそ、娼館での言葉にも力がある。この作品の中でのマリーは(愚かではあるけれど)強さを持つマリーなんだね。


でも、だからこそやっぱり駅で戻ってきちゃうところで分からなくなっちゃうんだよね。マリーは誰よりもルドルフのために離れることを決心したはず。それなのに、いったい何がきっかけでその気持ちを変えてしまったのか、それが分からない。あの人が好きだ、あの人と一緒にいたい、というだけの気持ちで戻ってきたんだとしたら、それまでに見せていた強さとうまくかみ合わないなぁと思うのです。それがもしかしたら18歳というマリーの若さゆえの愚かさなのかもしれないけれど。


なんだかね、今日帰りの電車のなかでどうしたら自分は納得できるんだろうなぁといろいろ考えていたんですが、ルドルフが謀反を起こして廃嫡されることになりそうだってことを(新聞でも市民の会話でもいいから)、マリーが列車に乗り込む寸前あたりで知るようなシーンがあったら、納得したかもと思いました。全てを失いそうなっているルドルフの傍にきびすを返して駆け戻るとかだったら、それまでのマリーの姿と違和感はないなぁと思うのです。(でも、こういう考え方は単に自分が納得したいだけなので、作品を冒涜することになるかもしれないね。あえて分かりやすい説明をつけないことが演出家の企みなんだろうから)。


それにしても、停車場のシーンのルドルフの手紙で、つくづくルドルフはダメな男だなぁと思いました。「君が決めたならそれを止めはしないよ」って。ばかー。マリーが好きで決めたはずないじゃないかー。身を切る思いをして決心したんだよー。つくづく、ルドルフはあまちゃんだなぁ、と思ったよ。先週のトークショーで、女性陣から「ルドルフと付き合うのは嫌」と総すかんだったんですが、それもしょうがないよね、と思います(ちゃんとそのダメさ加減が伝わる芝居を見せてくれる芳雄は頑張ってるよね)。


さてさて、いろいろありましたが、なにはともあれ明日でラストです。なんだかんだ言ってますが、役者さんたち、皆好演してるし、歌も踊りも好きなんです。明日じっくりと味わってきます。