「ボク・・・・今、東京ですねん・・・・。どうも、迷子になったみたいですわ・・・・どないしましょ・・・・?」
相変らずである・・・・。
奴には、「もしもし」とか、「ハロー」とか、言おうとする知恵がないんだろうか・・・・・。
受話器を取ると、すぐに本題である・・・・・。
先日、疫病神Nから、暫くぶりに、電話があった。
内容は、上記のとおりではあるけれど、奴が何故、首都東京にいるのかが、理解できなかった・・・・。
「ビジネスですがな。ビ・ジ・ネ・ス。わかります?」
人を、小馬鹿にした物言いも、相変らずである。
関西弁を、全国標準語だと、思い込んでおり、
関西弁を、国際標準語(?)だと、勘違いしており、
「儲かりまっか?」が、「こんにちは」の同義語だと理解しており、
納豆が、マトモに食えない30半ばの男が、首都東京で迷子である・・・・。
申し訳ないが、私は、腹の底から笑わせて頂いた・・・・。
「ボク、何処に行ったら、エエんでしょうか・・・・・・?」
「そんなもん、しらんわ・・・・」
って、思ったけれど・・・・・。
「近くの交番で、聞いたらええやん。」
って、答えておいた。
続けて、
「オマエ、その年齢で、東京で迷子は、あかんやろ・・・・。オツム(頭が)、ラクか?(大丈夫か?)」
って、聞いてやった・・・・。
しかし、奴には、聞こえていなかったようで・・・・・。
「おっ~、トーキョー迷子。そんな歌、あった、あった。」
って、受話器の向こうでナゼか、歌い始めた・・・・。
首都東京の何処かで、迷子になっている、納豆がマトモに食えない、関西原住民の三十路オトコが歌う、その歌を聴きながら、私は静かに電話を切った・・・・・。
「そんな歌、あったっけ・・・・?」
生憎、カラオケ嫌いで、酔って歌ったとしても、アニソンしか歌えない私には、分らなかったが・・・・・。
ともかく、奴が無事帰ってくる事を、祈っておくか・・・・・。
奴からの、土産を期待(?)して・・・・・・。