デイヴ・グロールのような人と喧嘩をするのは、負ける戦いです。グロールはキャリアを通じて敵も作ってきましたが、彼がミュージシャンズ・ミュージシャンとして最高の評価を持っていることに異論を唱えるのは難しいでしょう。彼は自分の好きなバンドについて話すのを恐れず、子供の頃に愛した無名のヒーローたちに光を当てることもあります。ハードコアパンクを称賛することが多いグロールですが、ABBAのどんな作品に対しても嫌悪感を抱くのはほぼ不可能だと認めています。
キャリアを通じてハードロックばかりを聴いていると、ABBAは今まで聴いたことのないものの対極に感じられるでしょう。グロールは大音量のギターと、人々が拳を振り上げるような曲を作ることに夢中でした。それなのに、なぜ「ダンシング・クイーン」のような曲を歌うバンドが彼のレーダーに入っているのでしょうか？
さて、過去50年間に呼吸をしてきたのであれば、ABBAのスウェーデンのポップ界の王者としての君臨は依然として無比です。いくつかの曲は一部の人には甘すぎて、他の人には糖尿病性昏睡を引き起こすかもしれませんが、レコード上のすべての音は完璧に聞こえ、「マンマ・ミーア」のような曲の驚くほどタイトなボーカルハーモニーも含めてです。
そして、バンドにあまり才能がないと言う人にとっても、彼らの曲にはもっと多くの要素が隠されています。「SOS」のような曲を見てみてください。もちろん、誰もがこの曲のコーラスを手のひらのように知っていますが、イントロは標準の4/4拍子の間にワルツタイムのバーを挿入するなど、プログレッシブな音楽と共通点が多いのです。
音楽には複雑さがありますが、グロールはそのような音楽を多くの人々に受け入れられる形で作ることができるポップのアイコンを天才と見なしており、アンダーソン・クーパーに「どうしてABBAを愛せないんだ？彼らがこれまでに誰よりも多くのレコードを売った理由がある。曲が素晴らしいからだ。私の子供たちもABBAが大好きだし、私の母もABBAが大好きだ」と語りました。
まだ迷っている人のために、あなたに絵を描いてみましょう。「テイク・ア・チャンス」のような曲を見てください。多くのロックリスナーはこの曲を原則として拒否するかもしれませんが、その曲が何をしようとしているかに関しては、音符が一つも外れていません。そして、アカペラのオープニングの後にバンド全員が入ってくるときに何も感じないのは、感情が一つもない場合だけでしょう。
グロールはその過程でポップのアイコンからいくつかのヒントを得ています。Foo Fightersが一生懸命ストレートなロックンロールを作ってきたと言いたいことは何でもいいですが、ABBAが最初に存在しなかったら、グロールが「Concrete and Gold」の合唱部分でBoyz II Menのショーン・ストックマンとコラボレーションする意欲を持つことはなかったでしょう。
ABBAを嫌うことでクールポイントを稼ぐような人もいないわけではありません。確かに、彼らは好みではないかもしれませんが、ヘビーミュージックの大物たちでさえ彼らを称賛しています。スリップノットのコリィ・テイラーや、レミーも彼らを史上最も好きなバンドの一つと呼んでいます。彼らはポップミュージックとしては最高に甘いものですが、ABBAがリリースした何も好きではないと言えるなら、自分が法的に死んでいないか確認する時かもしれません。
※デイヴ・グロール（Dave Grohl）：アメリカのミュージシャン、歌手、ソングライターで、最もよく知られているのは、ロックバンド「ニルヴァーナ（Nirvana）」のドラマーとしての役割と、ロックバンド「フー・ファイターズ（Foo Fighters）」のリードボーカリスト兼ギタリストとしての役割です。
◆経歴
ニルヴァーナ：1990年に加入し、バンドのアルバム『Nevermind』などでプレイ。ニルヴァーナはグランジムーブメントの代表的なバンドで、1990年代初頭に大きな影響を与えました。
フー・ファイターズ：ニルヴァーナのフロントマン、カート・コバーンの死後、1994年に結成。グロールはバンドのリードボーカルとギターを担当し、バンドは多数のアルバムをリリースし、グラミー賞を含む多くの賞を受賞しました。
◆音楽スタイルと影響
グロールは、そのエネルギッシュなドラムプレイと感情豊かなボーカルスタイルで知られています。彼の音楽は、パンクロック、ハードロック、オルタナティブロックなどのジャンルに影響を受けています。
◆その他のプロジェクト
プロジェクト：グロールは多くのサイドプロジェクトやコラボレーションにも参加しており、様々なアーティストと共演しています。
ドキュメンタリー：彼は音楽ドキュメンタリーの制作にも関与しており、特に「Sound City」という映画は有名です。
グロールは、その多才な音楽キャリアと、ミュージシャンとしての誠実さと熱意で広く尊敬されています。
