カーボンブラシモーターの復活メンテナンス | 気ままな黒猫の気ままにアップデート

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Yahoo!ブログサービス終了によりアメーバブログに引っ越してきました。
メダロットシリーズの解析、改造パッチ制作を主にやってます。不定期で更新中。
以前はMUGENのキャラクター、AIの製作をしてました。

どうも、気ままな黒猫です。
過去の記事にてつぶやいてますがミニ四駆についても書きたいことがあったのでブログのリハビリがてら記事を作っていこうと思います。
私は第二次ブームの頃から長らくミニ四駆をやってますが知らないこともなかなか多く、昨今の流行りセッティングに効果や原理に疑いをもってたりでついて行けなかったりすることがあります。また工作機械を持たないために精度あるものが作れないなどの技術的なハンデがあり、その中で独自の路線で何とかやっていこうとしています。
例えばボディ・シャーシメイクとか


例えばエアロパーツ制作とか

例えばギミックパーツ満載とか。

写真の内容について知りたい方はコメントにてどうぞ。

 

さて今回はモーター、特に旧チューンモーターPROに使われていたカーボンブラシについて話していこうと思います。
ミニ四駆PROが出たての頃に売っていたカーボンブラシの両軸チューン系モーター。基本的にモーターは内部のメンテナンスが不能のため、耐久性を持たせるためにこのような仕様にしたのでしょう。しかし今まで金属ブラシが使われていたチューン系に対するこの仕様変更は当時から不評でした。
 

その理由はカーボンブラシは導電性が金属のものより低く、コミュテーター接触部以外に使われている金属部品が硬く接触圧も高いため、チューン系の非力なコイルでは電気的にも機械的にも抵抗が高くて十分に回すことができないというものでした。また下手に耐久性が高いために慣らしに時間がかかる上、使い込むと削れたブラシのカスがブラシとコイルのコミュテーターの間に詰まってさらに導通を悪くするという悪循環もありました。
なので当時はブラシカスを落としながら接触状態を良くするために水中慣らしなどの対処法が考えられましたが、基本的にミッドシップ系シャーシは駆動効率が良い分、路面から受ける逆トルクの影響が大きくモーターのトルクが多く必要なのも併せて、ハイパーダッシュPROが公式で使用可能になるまでは従来と同じ金属ブラシのトルクチューンPRO以外見向きもされませんでした。

ここで豆知識をひとつ。元々カーボンブラシは古くはウルトラダッシュモーターやジェットダッシュモーターなど高パワーのダッシュ系モーターに使われていました。金属ブラシでは同じ材料のコミュテーターとのかじり(簡単に言うと摩擦)が大きく、激しく回って消耗が早いため、カーボンブラシなら自己潤滑性があり異なる材料同士のため磨耗が少ない、大電流が流せるコイルなら多少導通が悪くなっても影響が少ないという理由で使われていました。
ですが、ただでさえ電流の流れないチューン系モーターにカーボンブラシを使うと、無視できないレベルに電気抵抗が増え、必要な電流も確保できず本来の性能が発揮できません。せめてハイパーダッシュ2からハイパーダッシュ3への仕様変更の時のように、導通を改善した銀カーボンブラシを使うか、巻線を電気が流れにくい分だけ太く短く調整すれば金属ブラシモーターと遜色なく使えたのでしょうが。

そろそろ本題。私の持ってるレブチューンPROやアトミックチューンPROはどれも手で回すとキシキシと音が鳴り、無負荷での回転数はいずれも14000rpmぐらいとスペック以下の回らないハズレ、あるいは慣らし失敗モーターでした。
しばらくは使っていなかったのですが、他のミニ四駆系ブログで見かけた接点復活剤を使ったメンテナンスをもとにKUREのコンタクトスプレーを購入、ブラシ、コミュテーターのクリーニングをしてみました。

コンタクトスプレーは接点復活剤の一つで、防錆剤入りのオイルが浸透して電極の酸化、カーボン汚れを取り、接点の接触不良や接点同士の摩擦による電気ノイズ、摩擦そのものを軽減することができます。さらにゴムやプラスチックにかかっても溶かしたりしないのでミニ四駆にも気軽に使用できるのも特徴です。

ほかのブログ等では別の接点復活剤や同じKURE製の2-26や接点復活スプレー、エレクトロニッククリーナーなど似た用途のものを使っており、中にはプラスチックを劣化させてしまうもの、洗浄だけで潤滑性を持たせないもの、油脂分を洗い流す成分があるためオイルレス軸受に付いてしまうと潤滑性を落としてしまうものもあるので、今回紹介したコンタクトスプレー以外を選ぶ場合には用途・性質に気を付けましょう。

エンドベルの穴にスプレーしてしばらく手でモーターを回して馴染ませ、出てきたオイルを拭き取り、ついでに付いたオイルで端子を拭き取ります。

すると、あれほど回らなかったハズレモーターがスプレー後に回したあとはどちらも18000rpm台まで回るようになりました。チューン系ではそこそこいけてる?

ここまで変われたのは、かなり溜まっていたブラシのカスが取れたりコミュテーターの酸化が化学的物理的に取れたからかもしれません。あとは両部品にオイルが定着して摩擦がより減ったからかも?
公式のレース規則ではモーターの分解や改造は禁止されてますが、内部のクリーニング等のためのスプレー使用は禁止されてないので汚れやオイルをちゃんと拭き取っていれば公式レースでも使用できると思います。ガイドブックで読んだ限りでは第二次ブームまでは未分解でもスプレー等の使用は禁止されてましたが、少なくとも2009年の規則からその記述は見当たらなくなってました。ただし会場への持ち込みは事故を防ぐためにやらないようにしましょう。

 

今回はここまで。今回紹介した方法はミニ四駆だけでなくRCのモーターにも応用できるので回転が悪いと思ったらやってみるといいでしょう。

次回は長らく語りたいと思っていた空力、エアロダイナミクスにおける誤解について書いていこうと思います。