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第一回 PRコンサルタント 大上敦史氏(その1)

こんにちは。コンサルタントの池松です。
今回は、ファッション業界のPRコンサルタントとして大活躍中の、
エーバルーンとのお付き合いも長い、大上敦史氏がゲストです。

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場所は、表参道駅から少し歩いたところ、
ゆったりした空間が外国人にも人気の高い「ラスチカス」。
ペリエを使った、ノンアルコール・モヒートとともに。

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* * * * * 

池松 大上くんは、海外留学した後、
ディーゼル、ドルチェ&ガッバーナ、ヴェルサーチを経て独立。
プレスについた経緯は?

大上 もともと、プラダの販売員だったんですよ。オーストラリアで。

池松 そうだったんだ!

大上 ファッションが好きだったのと、雑誌が好きだった。
この2つだけです、理由は。ワーキングホリデーで渡豪したんですけど、
でも英語もできないし、親のスネかじりだし。21歳くらいの頃で。

で、向こうに渡って、初めて貧乏しました。
仕事しなきゃと思って面接に行っても、
ちゃんと就職したことがなかったから、
面接で見抜かれちゃうんですよね、どんなにいいことを言っても。

当時は、まだ日本人観光客が多かったので、
免税店とか、たくさんあったんですけど、
そこでも、ことごとく面接は落ちて。

変な自信があったんです、自分の中に。
なのに、こんなに落ちるってことは、
本当は自分ってダメ人間なの?なんて。

で、本当は1年間の予定でワーホリ行ったんですけど、
3ヶ月でお金がなくなっちゃって、こっそり帰ってきたんですよ。
友だちには、ご祝儀もらったりして、1年後って言ってたのに、
3ヶ月で帰国したなんて恥ずかしいから、実家の逗子の近くにあった
セブンイレブンのお弁当の工場で、アルバイトしてたんです。

池松 えーー、そんなこともしてたの!

大上 深夜働いて。時給もよかったんで。
それでお金貯めて、またオーストラリアに帰るんですけど、
その時はもうオーストラリア自体には興味がなくなっていて。
英語もできないし、仕事も受からないし。
でも家を借りてたから戻ったんですけど。
なので、このお金がなくなったら日本に帰ろうと思ってたんです。

ところが、向こうで出会いがあって、恋に落ちて!
いなきゃいけない理由ができちゃったんですよね。

池松 人生の扉が開いたね。


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大上 その出会った彼というのは、イギリス人のエグゼクティブで、
オーストラリアに赴任したばかりだったから、友達もいなくて。
それで、付き合うようになったんです。

でも、彼のお友だちもみんなエグゼクティブな人たちばかり。
そうすると、英語もできない21歳のアジア人なんて、
ものすごく見下されるんです、どこに行っても。

彼の英語はゆっくりしゃべってくれるからわかっても、
他の人の英語は全然わからない。
キツいなと思って。それで、英語の勉強をしてたんですけど、
仕事もちゃんとしないと、彼と釣り合わないなと思って。
それで就活を始めました。

当時のオーストラリアは、新聞の求人欄が主流だったんですが、
僕は、英語が堪能な日本人の友人に、履歴書を10枚くらい作ってもらって、
それを持ってシドニー中のブランド店に飛び込みで当たっていったんですよ。

池松 聞き流しがちだけど、そんな勇気ある人、意外に少ないよ。

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大上 プラダ、グッチ、エルメス、ヴィトン、フェンディとか、
全~部行ったんですけど、たまたまプラダから電話があって、面接をしたいと。

当時の英語力ってまったくゼロに等しかったので、彼や友だちに、
こういう質問だったらこう返すというシミュレーションをしてもらって、
それを丸暗記して挑んだら、受かっちゃった!

結局、プラダで働くことになって。
やっぱりラグジュアリブランドなんで、
プラダのお洋服着て働けるんですよ。
フィッティングに行って、スーツ2着、そのほか2着、みたいな。
フィッティングでプラダのお洋服をたくさんいただいて、
なんかシンデレラのような気分になっちゃって!(笑)

池松 で、新たなドラマが始まった?

大上 僕は、プラダ・オーストラリアの社長に直接採用してもらったんで、
お店のマネジャーには会ってなかったんですよ。
で、出勤初日が、マネジャーとの初対面で、
英語でワーッと話されて、まったく理解できなくて・・・。

でもとりあえず、イエス、イエスって言ってたら、
ちょっと待てと。あんた本当にわかってんの?と。
それでもイエスって繰り返したら、
じゃあ私が言ったことを全部リピートしなさいと。

当然できないんで、
そしたらあんたみたいな英語力の人間は
フロアに立たせられないから、
あんたは今日からストックルームよ!って。
で、ストックルームに初日から回ったんです。

せっかくプラダで販売できると思ってたのに
ストックルームなんてと思ったんですが、
当時のストックルームはまだ新しくとても綺麗なお部屋だったんです。
でも中に入ったら、ぐっしゃぐしゃ。
バッグは箱から飛び出てるし、靴は脱いだまま散らばってて。
なので、まずは片付けから始めようと思って・・・。

池松 (笑)。さすが、大上くんらしい!

大上 僕はA型なんで、一日かけてすごい綺麗に整頓したんですよ。
でもオージーって、そのストックルームに
みんなサボリにくるんですよね。
で、突然ストックルームがどんどん綺麗になっていくから、
え?何が起こったんだ?ってことになって(笑)。
それで、初日からみんなが一目置いてくれるようになって、
仲良くなっていったんですけど。

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池松 その後、フロア・デビューはできたの?

大上 一週間くらいたってから、やっぱりフロアに出たいなと思って、
それを同僚の子に話したら、じゃあ英語でこういえば?って教えてくれたのが
「僕の英語力はつたないけれども、日本人のお客さんはたくさん来るから、
その人たちに対する接客には自信がある。だから試してほしい」。

当時、今から13年くらい前で、
プラダのリュックが流行っていたころ。
日本人にもとても人気があったのと、
オーストラリアでブランドものを買う人たちは、
地元のお金持ちか、日本人か、ゲイだけ。

で、試しにフロアに出してもらったんですよ。
日本人のお客さんにどんどん積極的に接客していって、
その週の売上が一気に25人中ナンバー3になったんです。

それで、もう出てもいいよってことで
正式にフロアに出してもらったんですけど。
だけどやっぱり日本人のお客様ばかりについてました。
たまにオージーとかにつかなきゃならない時は
やっぱり怖いんですよね。

こういったブランド商品の値段が他と比べて高いのは、
一流のサービス料も含まれているからだと言われるんですが、
そのサービスを、自分は生むことが出来ない。

だから、毎日ポケットにメモ帳を入れて、
こういう時はなんていうの?って、同僚に聞いてはメモして、
それで英語覚えていったんです。

池松 やっぱり好きって気持ちと、情熱だよね。

大上 でも、当時、日本から来たワーホリの人たちは、
日本食レストランで働いている人が大多数。

そんな中、自分はプラダで働いて
時給も他の仕事より高くて、
彼とは、いつも一緒に高級レストラン行ったり、
煌びやかなパーティ行ったり。
気がつくと、結局それに溺れてしまってたんですね。

池松 見えてないものがあったんだ。

大上 22歳の時に、付き合ってる彼から、
「君ってアンビシャス(向上心)がないね」って言われたんです。
え?アンビシャスってどういう意味?って。
その意味さえわからなくって・・・。

でも、その時は、向上心がないっていわれて、ぶち切れちゃったんです。
何言ってるの? こんなに苦労してここまで来たのに!って。
そしたら彼は、たかが店員じゃないかって。
そこがゴールじゃないでしょって言われて。

ああ、確かに。向上心が無くちゃ、ダメかもしれないって。
自分の人生の中で、初めてそれを意識した瞬間だったんです。

* * * * * 



なんて濃い21歳のスタート!

オーストラリアに滞在して(一度はこっそり帰国したりして笑)、
でも、さまざまな人との出会いがあって。
大上くんの「絶対したい!なりたい!」が
未来の出来事を、彼の願い通りに引き寄せているような気がします。

さて、気になる(その2)では、プラダを半分首になった!? 彼との別れ!?
などなど、さらにオーストラリアでの大展開が炸裂します!

(文責:堀田律子)




取材協力店DATA
ラスチカス
天井の高いインターナショナルな雰囲気の店内で。天気がいい日はテラスも気持ちいい。
「ここのナチョスは、東京でも1、2を争う本物のメキシカンテイスト。モヒートとともにぜひ!」(クリス)
住所:東京都渋谷区神宮前5-47-6
TEL:03-3407-6865
最寄り駅:表参道から徒歩7分。
URL:http://www.vision.co.jp/aoyama/index.html


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PRというお仕事。

PR(パブリック・リレーション)は
プレスとも呼ばれる、業界でも大人気の職種。

ファッションブランドのPRの仕事は
大きくいくつかに分かれます。

・プレス(商品貸出、プレスリリース作成、ショールーム管理)
・広告(メディアプラン作成、メディア選定)
・プロモーション(イベント、ダイレクトメール管理)
・CRM(顧客管理・分析、メールマガジン作成)
・自社デジタルメディア運用・管理(ウェブサイト、SNS)

こうしてみると、実はとても業務の幅が広い職種。
ファッション業界での仕事に憧れる人の多くが
このプレス就業希望者で
バイヤー職をしのぐ人気と言われています。

未経験者の場合
PR系の専門学校に通ったり
海外での就業経験を積んだり
平均以上の英語力を持っていたり
あるいは、ブランドに合ったイメージを持つ方などは
プレスのアシスタント職からスタートできる場合もあります。

しかし、それは特別なケース。
もっとも経験重視の職種ですので
事前にインターンシップなどで
プレスの経験を積むことをオススメします。

第一線で活躍しているファッションブランドのPR責任者は
仕事力はもちろん
それ以外にも、ホスピタリティ、立ち振る舞い、人柄等も素晴らしく
初対面でも、他人にインパクトを与えられる方が多いです。

プレスは、人付き合い(人脈力)、ファッションセンス
そしてパーソナリティが大切な仕事。

また、ここ10年で、ブランドのPR手法が
雑誌からインターネット、SNSへと移行しはじめ
デジタル分野でのPRに力を入れていることから
デジタルマーケティングに強い
人材への需要が高まってきています。

デジタルであっても
オフラインであっても
ブランドメッセージを的確に伝え
消費者・ファンの声をきちんと捉えるという
柔軟なコミュニケーション能力の持ち主に期待がかかっています。


(コンサルタント 池松孝志)


ファッション業界に特化した最新求人情報を掲載中。
エーバルーンHP・ご登録はこちら> http://www.aballoon.co.jp/


<職種DATA>
タイトル:PR
主な仕事:プレス、広告、プロモーション、CRM、デジタルメディア運用・管理。
必要なスキル:ファッションセンス、人脈力、英語力、ホスピタリティ。
未経験の場合:インターンシップ等からプレスの経験を積む。

MDというお仕事。

MD(エム・ディー)は
マーチャン・ダイザーの略。

業界内では、バイヤー
あるいはプロダクト・マネジャーと
呼ばれることもあります。

主な仕事は
商品を選定するバイイング
値段を決定するプライシング
販売スタッフへの新商品を説明する商品トレーニング。

また、マーケットやトレンド分析
店舗ごとの商品配分や売上分析など、アナリシス業務も重要。
会社の売上を左右する仕事、それがMDなのです。

外資系ファッションブランドや
ラグジュアリブランドがMDを募集する場合は
中途で採用することが主流となっているため
未経験者にとっては、かなり狭き門です。

未経験からチャレンジするには
本社の別業務や、アシスタントとして携わってから
MDに就かれるというのが主流ですが
まずはショップの販売員を経てから
本社勤務に上がり、MDに就く可能性もあります。

現場を知っているという意味では
決して回り道ではなく
全ての経験が活きてくると言えるでしょう。

MDは、売上=会社の業績を左右する大切な職務。
MD出身者がブランドの社長になることも多いのです。

大手のブランドの場合
通常、MDはカテゴリー担当に分かれています。

洋服(RTW)、バッグ・革小物、シューズなど
それぞれのスペシャリストが存在します。

ですので、MDとして着任したら
まずは、カテゴリー担当として経験を積み
最終的には、ブランド全体のMDとして活躍できる人材になる。
ぜひそこを目標にしていってほしいですね。

より望まれるMDになるためには
ファッション知識はもちろん
トレンドを把握する能力は不可欠です。

英語力、そしてコミュニケーション能力。
分析業務にはPCスキルも欠かせません。

売上に対して責任を持つMDは
数字の意識を強く持っている方が
今もこれからも、強く望まれているのです。

ところで、私が今までご紹介してきたMDの方々は
なぜか皆さん、ショッピング好きだった
という印象を持っています(笑)。

確かにショッピングのコツは
トレンドを意識しながらも
ニーズに合ったもの(この場合は自分ですが)を
賢く購入するというという点と
通じるものがあるのかもしれません。

何よりも
ファッションが好き!ショッピングが楽しい!
という方こそが
MD職が成し遂げなければいけないことを
体現しているのかもしれませんね。

(コンサルタント 池松孝志)


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<職種DATA>
タイトル:MD
主な仕事:売上管理、商品選定、値段決定、販売スタッフトレーニング。
必要なスキル:ファッション知識、トレンド把握力、数字管理能力、英語力。
未経験の場合:販売員からスタート。現場経験を磨く。
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