募らせた思い
20年来、口を聞かなかったきょうだいの君。君の住むその街に、長男は通学している。きょうだいの君の事を、家族には全く話題にしていない。我が父母が、こぼす話と、お年玉をもってきた姿を見た、そんなところから、我が子それぞれ、その存在は感じてきたはず。君が訪ねて来ようと、全く相手にしなかったこの身。長男と大学の懇談会出席のついでに、この度こそは、ちゃんと会いたいと思った。君の連絡先を、私は知らない。いつだったか、背中の凍る思いを誤魔化しつつ、君の携帯番号を削除した私。そんな事すら忘れて、今に至って、人知れず、それを探しまわった。老いていく両親。老いに向かっていく我が身。進学や就職で、自立していこうかという年頃の我が子達。あの日両親が当てもなく待っていたあの駅のホームで、長男と2人電車を待つ夏のこの時の間に、どうしようどうしようと、電車の時間を気にしながら戸惑う我が心。『希望の終わり、最後に降り立つその駅』春は桜咲く、単線にある無人駅。上り側真っ直ぐの線路向こうは、南側にカーブする。下り側は、その向こうのトンネルまで、真っ直ぐ延びていて、そのずっと先にあるのは、…ameblo.jpやっと、やっと、どうなんだ、ああなんだと干渉させたくない両親に、思い切って電話した。「 今日、きょうだいの君の近くに行くから、電話番号教えて 」本当は、物言わず知りたかった電話番号。もう、もう、そんな事言ってる場合じゃない。80過ぎた父。年老いた両親。いつまでも、きょうだいの断絶を見せては行けない。大きくなった子供達。これから大きくなる、きょうだいの君の子。きょうだいの君の家族は、勝手したこの身をどう思うだろう、、、連絡したかったけど、急に電話しても。今都合は?なんてどうなんだか、、、、と言い訳にほだされて、とうとう電話できなかったこの1日。でも、やっと連絡先を知る事が出来た。何よりも、頑なを変えられなかったこの自分が、やっとの一歩を進めた事が何より。きょうだいの君が、果たして会いたいと思うのか、、、、結果は結果。20年の止まった時間を、少し進めた自分に乾杯🍻