絶望の中 “新たな門出”
絶望の中。プライドはズタズタボロボロ。いつまでも、何もせず、家に居るわけにもいかない。本屋で買った求人情報誌を手に、仕事を探す私。私は、地元は嫌だった。希望だった先の辺りにいて、仲間と繋がっていたかったから。求人に応募するも、採用ならず。では、希望の先と家の往復の度、途中下車した地方都市ではどうかと、求人に応募するも、それも駄目。どこか、仕事を選んでいる私。こんなはずじゃなかったとの思いが強く、そんなプライドに引っ張られる。ある時、母に地元職安に連れられた。 類別所別に分けられたファイルに、数沢山の求人が整理されている。求人を見ると、ここ3年関心を寄せた数々の病院とは違い、様々な職種が提示されている。ここ最近では、珍しく、興味関心が持てる時間。やはり、未来に向かうというのは、心踊る気持ちにさせてくれる。そして、試用期間を経て、地元宿泊施設への就職を果たす。車を持たない、ペーパードライバーの私は、職場脇にある、寮に入ることになった。わずか3部屋。3才年下で高校卒業したての、たった一人の寮仲間がいた。絶望は癒えないけど、新たな門出だった。