口下手の待ちぼうけ
市街地に、木製遊具を多数置き、どこまで進んだかと楽しめる公園がある。子供の頃、時々休日に家族で遊びに行った。多くの子供達が、遊具で遊ぶ。時に並んで順を待つが、高さのある狭い場所では、順番という規則性が薄れることがある。ターザンとか言っていた遊具。ある時、自分も遊びたいと、ターザンをしに行った。なかなか自分の番に出来ず、もじもじただ待つだけで、いつまで経っても進むことが出来なかった。次から次へと、子供達が、自分を抜かして滑車から垂れるロープにしがみついて、降りていく。次は私と主張することを知らない私。長々と時間が過ぎ、業を煮やしたわが父。「おい、行かしてやれや」と、後からきて先にロープを手にしようとする男の子に、下から手で足をたたき、一言。あれだけ待ちぼうけだったのに、一瞬にして、自分の番となった。その場の私は、それでよかったが、今だに口下手が過ぎることを思うと、父は私に、自分で自分のことは言えとしつけるということを、知っていてほしかったと思えてならない。