第76回全大阪オープン珠算選手権大会 By 亀山太陽 | はやしそろばん総合学園 大会観戦・参戦記

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大会の様子等が余すことなく綴られています。

 皆さん、こんにちは。今回参戦記を書かせていただきます、亀山太陽です。こうして参戦記を書くのも久しぶりですね。確認したら最後に参戦記を書いたのが4年前でした。現在大学生の私ですが、当時心配していた文章力は果たして上がっているのでしょうか。その点も踏まえながら、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 

 さて、今回書かせていただくのは、「第76回全大阪オープン珠算選手権大会」(以下、全大阪)。私自身、今年で9度目の出場となります。そんな私が今回の大会において掲げた目標は「個人総合で満点を取り、決勝の舞台に立つ」こと。全大阪は他の全国大会に比べても難易度が高く、全国から強者たちが集まる中でも満点は数人。長年出場したとしても、満点を取ることが極めて困難な大会です。自分が練習する中でも、1ミスの1190点や1195点は取れるのですが、満点の1200点はなかなか取れず、1ミスと満点の間にある大きな壁を感じていました。しかし、これだけ困難だからこそ、この目標は達成したいものです。

 しかも、今回は3年ぶりの現地での大会。今まで、感染症の影響でオンラインの出場しかできず、昨年も出場を断念した大会もありました。久しぶりの現地での大会で悪い結果は残したくありません。さらに、今回は初出場の後輩たちが当学園からは5人も。団体メンバーということもあり、情けない姿は見せられません。

 このような要因もあって、今年こそは、という思いが強く、練習にも一層力が入りました。個人総合の練習を最優先に行い、心配な種目については、対策問題を作ってもらい、空き時間を使い練習。先生方や仲間たちのおかげで、良い環境で練習に臨めました。

 

 8月27日、出発当日。久々に県外に行くということで浮かれながら、午後3時ごろ、仙台空港を出発。飛行機に乗るのが初めて、という後輩もいて、雲の上からの景色に興奮している姿を見ながら、私はコンソメスープを楽しんでいました。(やっぱり機内の飲み物といったらコンソメスープですよね!…あれ、頼んでいるのは私だけですか?)あ、そういえば、仙台空港で当学園OBの遠山直高さんと会いました。仙台から大阪に帰るところだったらしく、たまたま同じ時刻の同じ便に乗り合わせました。なんという偶然…!(その時の写真がホームページで見ることができますので、ぜひそちらも見てみてくださいね!)そんなこともあって、無事伊丹空港に到着です。

 そこからレンタカーで移動し、ホテルに着いたのが夕方6時過ぎ。そのまま夕食となりました。ここで当学園の藤井智貴先輩(以下、智貴先輩)と再会。智貴先輩が宮城を離れてから約半年、久しぶりの再会に喜ぶ一同。OBの阿部貴広さんとも合流し、一緒に中華料理屋で夕食を済ませました。やっぱりはやしの遠征先の夕食は中華料理になるんですね。その後、ホテルに戻り、私はすぐ就寝。明日に備えます。

 

 8月28日、大会当日。今年の全大阪は昼過ぎからの開催ということもあり、私は7時半頃起床。寝坊の心配をする必要がないってのはよかったですね。ゆっくりできました。しかし、チェックアウトの時間が10時だったため、どこかで時間を潰さなければいけない状況。近くのマクドナルドに入り、昼食をとるとともに、大会に向けて最終調整をしていました。まさかマクドナルドで練習をすることになるとは…。周りからどのように見られていたのでしょうかね。1時間半くらい、なんとか時間を潰し、いざ、会場へ!

 3年間ずっとオンラインだったからか、会場に入ったときの緊張感がとても新鮮な感じがしました。やはり、あの緊張感は現地でないと体感できないものです。自分はいつも以上に緊張しながらも、「やっとここに戻ってこれたぞ!」という喜びもあり、早く競技がやりたくて仕方がありませんでした。

そんな中12時半、いよいよ開会です!

 

 個人総合競技。コロナ禍ということもあり、競技の進行方法が変わると予想していたのですが、例年と変わらず1種目ごとの交換採点という方式に。逆にいつも通りでよかったと思いつつも、この方式であればかなりの長丁場。集中力を最後まで持続させなければなりません。私は、若干最後の2種目で集中力が切れそうでしたが、苦手であった乗算や見取算がうまくいった感触があったため、自分の中では過去一番に自信をもって8種目終えることができました。どうにか満点取っていますように…!そう思いつつ、次の競技へ。

 

 今回は読上算、読上暗算競技がなくなったため、次は種目別競技準決勝です。ここで、例年との大きな変更点がありました。それは、「種目別準決勝は任意参加であること」。今までであれば、個人総合競技のそれぞれの種目において、満点者のみ(人数が少なければ上位何名かまで)が種目別競技の準決勝に参加できました。しかし、今回は個人総合競技の成績に関係なく、出たい種目に出ることができるという形になりました。そのため、純粋に種目別決勝に出場できるチャンスが増える、ということです。自分の個人総合競技の点数が把握できないというデメリットはありましたが、過去に一度も満点を取ったことがない見取算で決勝に行けるチャンスです。このチャンスを逃すわけにはいかない!!…と思って臨んだのですが、そううまくはいきませんでした。強豪たちが集う中でトップ10に残らなければいけませんから、チャンスが増えたからと言って簡単に決勝に行けるものではありません。自分は除暗算、見取暗算で惜しいところまではいったものの、結局種目別は一種目も決勝に残ることができませんでした。当学園からは森拓磨(以下、森君)、智貴先輩、そして今回初出場の林春貴、林諒(以下、はるき、りょう)が決勝に残り、後輩が残っているのに先輩の私が決勝0という情けない結果に。満点を取ることを重視して練習していたとはいえ、決勝でも活躍できるよう、私の今後の課題にするべきですね。

 

 その後、個人総合競技の満点者の発表が。今回の満点者の数は8名。自信はあったが果たして…。満点者の名前が次々と呼ばれて行きます。兵庫県・足立鷲仁選手、東京都・原子弘務選手、東京都・石井結彩選手、大阪府・金本三夢選手、大阪府・金本愛夢選手、埼玉県・弥谷拓哉選手、埼玉県・辻窪凛音選手、……宮城県・土屋宏明選手!!! ……はい、呼ばれませんでした。私は種目別の決勝もありませんから、この時点で出番終了です。あ、私の全大阪もう終わったわ、そう思いながら観客席へ…

 

 「亀山太陽選手!」 …はい?今呼ばれたか?私の全大阪は終わったはずじゃ…? 「1190点、3位決定戦です!」 …というわけで私の全大阪、続行です。ここで私の個人総合の点数が判明しました。10点分のミス。いったいどこでミスをしたんだろうと考えながら3位決定戦の舞台へ。今回、1190点は私含め5名。そのうち、3名が3位、2名が佳良となります。(たった10点のミスで佳良と3位の境目…!レベルが高いですよね)3位決定戦については私自身、中学3年生のときに経験しているためなんとなくどのような形式で行うのかというのは知っていました。それでは、落ち着いてできたのでは?他の人に対してアドバンテージが取れたのでは?…そんなことありませんでした。むしろテンパってしまい、5番目に挙手。結局経験も何も活かせないまま3位決定戦が終わりました。今度こそ出番終了です。

 

 続けて先ほど挙げた8名による個人総合優勝決定戦が行われました。優勝決定戦の方式も例年と大きく変わり、個人総合の問題数を3分の1にしたものを定められたタイムの中で行い、満点者が複数人出たらさらにタイムを縮めていく、という方式で行われました。珠算種目のタイムの差を暗算種目で取り返すことは難しい、ということでこのような工夫がなされたようです。8名による激闘を観戦中、私もいつかあの舞台に立ちたい、と思う一方、8名の圧倒的な実力に気が引けてしまいました。それもそのはず、この8名の練習における個人総合の満点率は5割以上。8割と答えた方もいました。それに比べ、私は数回程度。仮に私が決勝の場に行っても、ボコボコにされるだけです。まだまだ練習量が足りない、もう少し練習の方法に工夫が必要だ、そんなことを考えながら、決勝戦を眺めていました。そんな中優勝したのは土屋選手でした!自分が小さい頃から身近にいた先輩。「つっちー」という愛称で呼ばせてもらってますが、こうやって勝ち続ける姿はもう尊敬しかありません。改めて、本当におめでとうございます!

 

 そして、全大阪の醍醐味、種目別競技決勝戦です。先ほど述べた準決勝において勝ち進んだ10名による熱い対決となります。前回全大阪の観戦記を担当させてもらったとき(第71回)と同様、各種目入賞者と当学園からの出場者の紹介、および私のコメントで、この競技の紹介とさせていただきます。

 

〇乗算競技 (大会記録:27.4秒)

優勝: 原子雄成選手 (東京都)

2等: 土屋宏明選手

3等: 弥谷拓哉選手 (埼玉県)

当学園からの出場: 智貴先輩、りょう

 当学園からは2名が決勝に進出!智貴先輩は今年の4月から社会人となり、練習時間が私ほどには十分取れなかったと思いますが、その中でも決勝に残れるのはさすがですね。また、りょうも初出場ながら決勝進出というのは立派です。練習中もりょうはスピードに長けていたのでそれが活きたのでしょう。私も見習わなくては…

 

〇除算競技 (大会記録:22.126秒)

優勝: 弥谷拓哉選手 (埼玉県)

2等: 辻窪凛音選手 (埼玉県)

3等: 丸山希和選手 (千葉県)

当学園からの出場者:はるき、りょう、森君

 除算については、3名も決勝に残りました!はるきも初出場で決勝に残ってくれました。除算の問題は10題中2題が余りの出る問題で、しかもどこの位置に出るかはランダムになっています。そのため、この問題でスピードを出すとなると、焦りもあり該当の2題がどこかという判断が難しくなります。決勝が終わった後のはるきやりょうの余りはどこだ談義を聞きながら、私もそんな感じだったなー、と数年前を思い出していました。

 

〇見取算競技 (大会記録:34.2秒)

優勝: 金本愛夢選手 (大阪府)

2等: 高倉佑一朗選手 (千葉県)

3等: 原子弘務選手 (東京都)

当学園からの出場者:なし

 4桁を一括で足すということを練習しなければなと思った瞬間でした。準決勝、決勝の様子を見る限り、自分の従来のやり方では限界があると感じました。あまりやり方をころころ変えていくのは得意ではないのですが、少しずつでもいいから新しいやり方に変えていこうと思いました。

 

〇伝票算競技 (大会記録:37.9秒)

優勝: 土屋宏明選手

2等: 弥谷拓哉選手 (埼玉県)

3等: 辻窪凛音選手 (埼玉県)

当学園からの出場者:森君

 過去にベスト3にも入賞したことのある森君が決勝進出です!準決勝におけるタイム設定、「伝票算5題1分」は私たちにとって一つの壁であるそうです。私もまずはここを目指さないとですね。

 

〇乗暗算競技 (大会記録:13.2秒 → 12.69秒)

優勝: 金本三夢選手 (大阪府) ☆新記録樹立!

2等: 宮本理香子選手 (東京都)

3等: 堀内遥斗選手 (千葉県)

当学園からの出場者:なし

 記録が13秒台から12秒台へ。字を書くのが遅い自分にとっては異次元の世界です。大会中に聞いた話ですが、他の教室では答えを書き写すのみの練習もやっているのだそう。今後の自分の練習に取り入れてみても良いかもしれませんね。

 

〇除暗算競技 (大会記録:7.6秒)

優勝: 土屋宏明選手

2等: 小川理緒選手 (栃木県)

3等: 高倉佑一朗選手 (千葉県)

当学園からの出場者:なし

 今回の優勝者のタイムは7.949秒と更新にわずかに及ばず。除算同様、余りのある問題もあるため、タイム更新はなかなか難しいようですね。

 

〇見取暗算競技 (大会記録:19.355秒)

優勝: 小川理緒選手 (栃木県)

2等: 金本愛夢選手 (大阪府)

3等: 辻窪凛音選手 (埼玉県)

当学園からの出場者:りょう

 りょうはこれで3種目において決勝に残ったことになります。初出場でこの成績はなかなか良いのではないでしょうか。来年以降の期待も高まりますね。私もこのスピードスターに負けないように頑張らないとですね。

 

〇伝票暗算競技 (大会記録:21.2秒 → 20.774秒)

優勝: 土屋宏明選手  ☆新記録樹立!

2等: 金本三夢選手 (大阪府)

3等: 前島幸太郎選手 (埼玉県)

当学園からの出場者:森君

 森君もこれで3種目出場です。森君は社会人で、ただでさえ練習時間を十分に確保できないのに、私たちにプリントや伝票を作るために時間を割いたうえでこの成績です。森君には感謝しかありませんし、かつ尊敬するべき先輩ですね。本人は「今回初めて個人総合太陽に負けた~」みたいなこと言っていましたが、まだまだ敵いません。また、伝票暗算も記録更新です。今になっても記録を更新し続ける土屋選手、お見事です!

 

 優勝者には3点、2等には2点、3等には1点が加点され、8種目が終わった時点で、合計得点が一番高い選手に種目別最優秀、「松本杯」が授与されます。種目別最優秀選手も、土屋宏明選手でした!圧倒的ですね。おめでとうございます!

 

 こうしてすべての競技が無事終了しました。帰りの飛行機の時間の都合上、閉会式には参加できず、後に結果を知ることになりました。個人総合は私と森君が佳良、団体総合競技(メンバー:私、はるき、森君)は3位という結果に。そして、3位決定戦前に気になっていた私のミスっていた種目、それは見取算でした。練習中も一番安定しなかった種目。納得といえば納得ですが、自分的には自信があったため、少しショックでした。

 

 さて、全大阪が終わって約4か月が経ちました。(観戦記に時間かけすぎです)改めてこの大会を振り返ってみると、自分の力をしっかり出せたという点ではよかったと思います。今まで、緊張や不安で自分の力を出し切れずに終わったということが多々あったので、必死に練習した成果が出たなと思いました。しかし、単純に自分の力不足を感じた大会でもありました。個人総合や種目別の決勝を見た時、今のままではまだ通用しないと実感しました。

 また、今年あった大会の結果や自分の練習を振り返ってみた時に、練習について見直す必要があると感じました。特に、今年の自分は、他の人と比較したり大会の結果にこだわりすぎたりして、不安や焦りが強くなってしまい、楽しく練習することを忘れてしまっていたかもしれません。様々な練習方法を取り入れる、苦手分野を重点的にやる機会を増やすなど、技術面を伸ばす上での工夫はもちろんのこと、自分がもう少し伸び伸びできるよう、自分の練習について考えてみようと思います。今現在の私の練習について、あまりうまくはいっていませんが、試行錯誤を繰り返し、いつか良い結果を出せるように、自分のできる範囲で継続していきたいと思います。

 

 長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!次年度以降は対面開催も増えるため、はやしの観戦記も増えるかと思います。再度観戦記を担当することになったら、またよろしくお願いします。

 

 では、またお会いしましょう!