先日、橋本聖子さんの講演を聞きました。
夏・冬合わせて、7回もオリンピックに出場している橋本聖子さん。
五輪出場7回は、今でも世界最多だそうです。
講演のタイトルは、「スポーツを通じた人材育成」。
自分の体験談を交えながら、およそ40分、橋本さんの生き様と目標達成のために必要なことを語ってくれました。
橋本聖子さんが語った話の中で、特に私の心に響いた台詞があります。
「人は平坦な場所では努力出来ない」
「荒れた道を、工夫し、努力して、次の道へ進むから、人は成長してゆく」
「人生には常に壁があり、そこで「逃げる」のか、あるいは「乗り換えてゆく」のかを、選択をしながら生きて行く」
「壁を乗り越える強さを身に付けることが、目標達成に必要なこと」
確かにそうですね。全て与えられた環境の中で育ってきた今の選手達は、少し足元が悪い道を歩かせると、すぐに足を痛めて前に進めなくなり、自信を無くし、ついには目標を見失ってしまう傾向にあります。
今の恵まれた世の中で、当たり前のようにランニングやスポーツを出来る環境では、よほど自分自身がしっかりして、目標を明確にし、目標に向かって努力する強い気持ちを持たなければ、目標はただの夢でしかなくなってしまのだと思います。
橋本聖子さんにとっての一番幸せなことは、
「ものすごくプレッシャーの掛かった大会に出場すること」
「ものすごくキツイトレーニングが出来ること」
あえて自分を厳しい環境に置くことで、自らを追い込みながら、人間的な成長と共に、目標を達成してきたからこそ出る言葉だと思います。
自分を「五輪の申し子」だと称して、子供の頃からオリンピックに向かって日々過ごしてきた橋本さん。
しかし、その道は順風漫歩ではなく、小学生時代に患った重い病気や、数多くの怪我によるドクターストップ。
その度に、くじけそうになる自分と戦い、何度も何度も自分自身に自問自答し、「私には出来るのか、もう駄目なのか」という葛藤を、より強い身体を作ることで、乗り越えてきたのだそうです。
「本当のストーリー」だからこそ、橋本聖子さんの言葉には説得力がありました。
現在は参議院議員として、誰もが健康で安心して暮らせる社会を実現するために、国政の場で全力で奮闘していると力強く語ってくれました。
橋本聖子さんのように、強く逞しい人間ばかりではありませんが、なんらかの形で、橋本さんの言葉が心の支えになってくれたら幸いです。