フィリピンのコンドミニアム価格を調べると、プレセリング物件の値上がりが目立ちます。
メトロマニラの主要地区では、平米当たりの販売価格がこの数年で大きく上がりました。
一方、完成済み物件の転売価格まで同じように上がっているわけではありません。
Colliers Philippinesの2024年第4四半期の資料を見ると、その違いが分かります。
新しく発売された物件の価格は、2017年から2023年で約55%上昇
Colliersによると、メトロマニラの主要CBDでその年に発売されたプレセリング物件の平均価格は、次のように推移しました。
2017年の₱232,000/㎡から2023年の₱359,000/㎡まで、上昇率は約55%です。
2020年には下がりましたが、翌年から再び上昇しています。
この数字は「同じ物件が毎年値上がりした」という意味ではありません。
各年に新しく発売された物件の平均です。
発売される物件の地区やグレードが変われば、平均価格も動きます。
2024年の販売価格は、地区によって大きく違う
次は、2024年時点で販売中の物件の平均価格です。
同じメトロマニラでも、地区ごとに価格帯はかなり異なります。
ここでいう中古価格は地区内の平均であり、同じ建物の新築と中古を一対一で比較した数字ではありません。それでも、新規販売価格の上昇が、そのまま中古市場の価格上昇につながっていないことは読み取れます。
たとえば、新しい物件が高値で販売されていても、近くの完成済み物件がそれより低い価格で売りに出されている場合があります。完成済み物件なら建物や共用部分、周辺環境、実際の賃料も確認できます。
価格が上がる一方、販売は鈍化
「価格が上がっているなら、販売も好調なのでは」と思うかもしれません。
しかし、Colliersの資料では、2024年のプレセリング物件の新規発売戸数は前年比59%減、販売吸収戸数は61%減となっています。
また、販売中の完成済み物件(RFO:Ready for Occupancy)の売れ残りは、2024年末時点で約26,000戸、評価額は約₱158.2 billionと示されています。
価格の上昇だけを見ると市場全体が強く見えますが、販売戸数や在庫を見ると、別の面も見えてきます。ただし、在庫の状況も地区ごとに違います。メトロマニラ全域の数字を、そのままMakati CBDやBGCの個別物件に当てはめることはできません。
物件価格を比べるときに確認したいこと
プレセリング物件と完成済みの転売物件を比較するなら、平米単価だけでなく、次の条件もそろえて見る必要があります。
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立地:同じ地区でも、駅やオフィス街、商業施設までの距離で条件が変わる
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面積と間取り:平米単価が低くても、広い部屋なら購入総額は高くなる
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建物の状態:築年数、共用部分、管理状況、修繕の必要性
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賃貸収入:広告上の想定賃料ではなく、周辺で実際に募集されている賃料
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取得総額:転売物件が「net価格」で表示されている場合は、税金や諸費用を含めて買主が支払う金額
プレセリング価格の推移は、市場を知るうえで役立ちます。ただ、完成済み物件を購入する場合に直接比較したいのは、周辺の完成済み物件の価格と賃料です。
新規販売価格は上がっている。中古価格との開きもある。 この二つを分けて見ると、メトロマニラのコンド市場がより分かりやすくなります。
※掲載した数字はColliers Philippinesの2024年第4四半期資料に基づくもので、現在の個別物件の販売価格や成約価格を示すものではありません。


