フィリピン・メトロマニラのコンドミニアム市場は、現在「転売価格の低迷」と言われています。
しかし、実際のデータを見てみると、必ずしも市場全体が弱いわけではありません。
特に CBD(中心業務地区)のPre-selling価格は長期的に大きく上昇しています。
今回は
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Makati
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BGC
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Rockwell
という マニラの主要CBDを例に、コンドミニアム価格の推移と今後の回復シナリオを考えてみたいと思います。
CBDコンドミニアムのPre-selling価格推移
Colliersのデータを参考にすると、主要CBDのPre-selling価格は次のように推移しています。
Fort Bonifacio / BGC
2016年
159K PHP / sqm
2019年
279K PHP / sqm
2024年
352K PHP / sqm
約 2.2倍に上昇
Makati CBD
2016年
169K PHP / sqm
2019年
355K PHP / sqm
2024年
399K PHP / sqm
約 2.3倍
Rockwell Center
2016年
196K PHP / sqm
2024年
554K PHP / sqm
Rockwellは供給が少なく高級物件が中心のため、
価格は別次元の上昇になっています。
Pre-selling価格は上昇、しかし中古価格は弱い
ここで重要なポイントがあります。
現在のマニラ市場では
Pre-selling価格は上昇
中古(Secondary)は低迷
というギャップが広がっています。
つまり
開発会社の新築価格と
実際の転売市場価格
の差が大きくなっているのです。
なぜ中古市場は弱いのか
主な理由は次の4つです。
①供給過多
メトロマニラでは
未販売在庫 約79,000ユニット
完成済み未販売(RFO)約30,000ユニット
があります。
新築が値引き販売されると
中古市場は価格競争で負けやすくなります。
②空室率の上昇
現在の空室率はエリア差が非常に大きいです。
Bay Area
空室率 57%
Ortigas
空室率 6%
このように地域によって需給バランスが大きく異なります。
③金利とローン環境
最近の取引では
取得コストより安い価格の売買
が増えており、買い手市場になっています。
これは住宅ローン環境の影響もあります。
④POGO需要の消失
Bay AreaではPOGO需要が消えたことで
賃貸需要が急減しました。
その結果
空室増加
→賃料下落
→投資需要減少
という流れになっています。
マニラコンド市場の回復シナリオ
現在の市場予測は次のようになっています。
2026年
空室率ピーク
市場は底打ち
2027年
空室率改善開始
選別的な回復
2028〜2031年
在庫消化
市場正常化
つまり
2026 底
2027 改善開始
2030前後 本格回復
という流れです。
5〜10年後の市場はどうなるか
私の個人的な見方ですが、
今後のマニラ不動産市場は
5年〜10年のスパンで大きく変化する可能性があります。
理由は次の通りです。
フィリピン経済の高成長
フィリピンGDP成長率は約 5〜6%
長期的には人口増加と都市化で
住宅需要は拡大します。
CBD土地供給の限界
Makati
BGC
Rockwell
これらのエリアは
土地がほぼ残っていません
つまり、長期的には
供給が制限される市場になります。
不動産価格はGDP以上に伸びやすい
不動産は
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資金流入
-
インフレ
-
土地希少性
の影響を受けるため
経済成長率の2〜3倍の上昇
が起きることもあります。
特にCBDではその傾向が強くなります。
投資判断で重要なポイント
Pre-selling投資を考える場合、
次の2つを必ず確認する必要があります。
①中古価格が追随するか
竣工後
中古市場が価格を支えられるか
②賃料が価格を支えられるか
利回りが低すぎると
価格上昇は持続しません。
まとめ
現在のマニラコンド市場は
短期的には弱い状態ですが
長期的には非常に興味深い市場です。
市場の流れを整理すると
2026 市場底
2027 改善開始
2030前後 本格回復
そして
5〜10年後には
今とは全く違う市場になっている可能性もあります。
フィリピン不動産投資は
短期投資ではなく
長期で考える市場
だと改めて感じています。
