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東野圭吾氏の「雪煙チェイス」(実業之日本社文庫)を読んだ。


「白銀ジャック」「疾風ロンド」などに続くゲレンデで繰り広げられる白銀ミステリーシリーズの一作である。


大学生の脇坂竜美は、一人スノーボードを楽しんでいた。そこで、巧みな技術で滑る女性スノーボーダーと出逢う。


その頃、東京三鷹市の一軒屋で強盗殺人が起こる。殺されたのは囲碁を趣味にする八十過ぎの福丸老人だった。すぐに所轄の杉本と白井が捜査に呼び出された。

指紋などから、容疑者として、福丸家に犬の散歩のアルバイトで出入りしていた脇坂竜美が浮かび上がる。脇坂は、愛犬を不注意で死なせて首になり、それを恨んで、押し入り犯行に及んだと見立てられた。


それを知らずに東京に戻ってきた脇坂は、拘束されたら警察に逮捕されるというサークル仲間・波川の忠告に従う。脇坂のアリバイを証明できるゲレンデで言葉を交わした女神を見つけ出すために波川と二人、黒沢温泉スキー場に向かうが、警察の杉本と白井も脇坂逮捕に向かう。


広いゲレンデで情報が乏しい女神を脇坂らが捜し出すのが先か、脇坂、波川を警察の杉本、白井たちが捜し、確保するのが先か、ゲレンデを舞台にした息詰まる追走劇が始まるというストーリーです。


事件は、被害者の人物関係を洗い出すことから、一挙に解決してしまいます。


スキー場に生きるむかし選手としてならした女将やスノーボーダーとして青春を過ごした美人姉妹など、興味深い人物たちも登場、ゲレンデ・ウェディングとか、派手なスキーパフォーマンスシーン、男女の恋愛模様なども同時進行してなかなか面白い話になっています。
土日が入るのでリハビリを担当してもらうのが最後になる理学療法士、作業療法士、言語療法士さんも多い、夏からだから、それぞれかなりお世話になった。
対人と人の仕事だから大変なことだと思う。


それらの仕事があることは知っていたが、その仕事内容については、漠然としたものだった。自分にはできない仕事、とても選択できない仕事だと思っていた。

身体、脳機能の向上を図るといっても正直、限界はあるだろうとは思った。限界はあるものの最大公約数的な機能を担保していけるかが、こらの仕事、職能に課せられた使命だと思う。


その仕事のパフォーマンスにわたしは助けられ、機能の幾つかを回復させることに成功したことを実感した。


まあ、欲を言えば、まだまだやりたいこと、やり残したことは多いといえる。


病院に入院したときは、からかさ小僧みたいに一本足で歩こうとしていたみたいなので、格段に進歩したといえるだろう。


肉体的麻痺がまったくなくなることなく、油断すると悪化するので、訪問リハビリのほか、自分でも身体を動かし、いまの状態を維持していかなければ、寝たきりになる可能性もあるようだ。


八月二日以前の健康と生活を取り戻したいとは思うが、この身体と新しい生活で歩いていくしかかなさそうである。
男は明日の決闘のためにまんじりとしなかった。宿の亭主は、心配になり何度も男の様子を見にきた。男は脂汗を流しながら、座禅を組んでいた。


明日は佐々木小次郎との決闘が控えている。五輪の書をしたためてから、やたらと決闘を申し込んでくる腕におぼえのある剣豪が増えていて、武蔵は辟易していた。


本当は決闘なんて嫌いなんじゃ。なんや血腥いことや。大の男が斬り合って、血を流しながら勝敗を競うことに何の意味があろうぞ。血流れるの怖いし、めっちゃ、痛いんじゃ。


小次郎とかいう奴、若いと聞くし、燕返しとかいう技を持っていると聞く。なんや燕返しって、燕の蒸し焼きかなんかか? 斬られたら、痛そうやなぁ~。


武蔵は、海の上を漂うウミカモメの群れをジッとみていた。


宿の近くでは、宮本武蔵が勝つか、佐々木小次郎が勝つか、子どもも大人も賭けをしているのを見掛けた。それによると、佐々木小次郎に軍配が挙がっていた。なんや、人気がある奴じゃなと武蔵は軽い嫉妬をおぼえた。


やる気などなくしている武蔵、かなり遅れて決闘の地である巌流島へ降り立った。小次郎がイライラしてるのが、遠目からもはっきり分かった。


若いから、決闘の時間に遅れるなど許せんだろうな、と武蔵は思った。昨夜、酒を呑んで武蔵は先ほどまで高鼾で寝ていたのだった。

睨み合う二人の剣豪の間を風かパタパタと吹き抜けてゆく。武蔵は、胃の腑がむかむかとしていた。


ウミカモメの糞が、小次郎の目の辺りを直撃した。
その瞬間を見逃さず、武蔵は小次郎の脛を思いっきり叩いた。小次郎の身体は、宙を跳ぶようもんどりうった。それは、燕が宙をかえるのと同じように見事なパフォーマンスだった。


武蔵は、帰りの小舟の上でものの無常を感じていた。