以前の記事 ベカー高原 バールベックからカーア国境まで からの続きです
カーアの出国手続き
カーア集落を通り越したところでイミグレ到着。レバノンの出国手続きを行います。出国税はありませんので、スタンプを押されて終了。時刻は19時前。マスナア国境に入国したのが14時30分でしたから、わずか4時間ちょっとでバールベックを見てベカー高原を縦断してきたことになります。
右の写真1枚目はハイウェイから見たレバノン山脈。右側の山上にはまだ雪が残っていますね。
2枚目はジュデイタの街中の街道。集落のなかでは道幅がかなり狭くなっています。
今回のカーア国境は、あまりに人が少なく、写真を隠し撮りできる状況ではなかったので、全く写真がありません。あしからず。
さて、イミグレの建物から出てきたところで、運転手が「車を乗り換えろ」とのたまいました。見ると、ワゴン車にそれらしき客が乗り込んでいます。うーん、さすがに27ドルではホムスまでは行かないか、残念。
イミグレ間10kmはレバノン領
私たちが乗ったことでほぼ満員となったワゴン車はすぐに出発。そのまま道路を北へと進みますが、なぜか途中のあちこちで乗客がばらばら降りています。沿線をよく見ると農家が点在してます。よく聞いてみるとイミグレを過ぎたのにこの辺は緩衝地帯ではなく、まだレバノン領とのこと。結局15分ほど走ってようやくシリア側イミグレに到着しました。後でwikimapiaで上から見るとこの間10km。緩衝地帯は全くなく、双方とも国境ぎりぎりまで農地になっているのが見てとれます。シリア~レバノンの国境でこんな風になっているところをはじめてみました。
ジョウスィーエの入国手続き
シリア側の国境は前回記事でも触れたとおり、ジョウスィーエجوسيهという集落にあるのですが、レバノンのワゴン車はイミグレの直前、ちょいと駐車場になっているところで終点です。イミグレの建物までたった100m! 乗換え型の国境でこの近さはすばらしい。
東京で取得してきた私たちのビザはシングルなので、ここでまたシリアビザを取らなければならないのですが、係員の方が「これビザ不要では?」と変に気を利かせて確認したりしたもんですから、ちょっと時間がかかってしまいました。この国境でもビザ代を払うシリア銀行の建物はシリア側に入ったところに離れて建っており、立番している軍人に、「ちょいとそこの銀行までいってくる」と言いつつ、フリーパスで一旦国境を越えてしまうのが面白い。そのまま消えちゃったら不法入国ですな(そんなことする必要はどこにもないですが)
ここでは2週間観光ビザも24ドルで取れるとのことでしたが、私たちは明日にはトルコへと抜ける急ぎ旅なので、もちろん8ドルとお値打ちなトランジットビザを所望。アラブ圏ではバス代も宿泊代も掛からない当時2歳の我が娘でもビザ代だけは全額かかります。なんだかんだで、イミグレ出口に待機しているホムス行きのセルビスワゴンに乗り込んだ時には、1時間ほどかかっていました。
ジョウスィーエ~ホムスの移動
セルビス代はホムスまで1人50SPです(もちろん2歳児にはかかりませんが、その代わり席はありません)
1時間弱でホムス市街地南側にある、ドワール・タドモールدوار تدمر(パルミラ・サークル)そばのカラージュ・ヤナースكراج يا ناسに到着です。パルミラ街道のホムス入口に面するこのバスターミナルは、別名カラージュ・ジャヌーブ(南バスターミナル)とも呼ばれていますが、都市間を結ぶプルマンバスは全く発着しないローカルなターミナルなので、町の反対側、ホムス北郊外にあるカラージュ・ポールマンへと移動しなければなりません。ダマスカスやアレッポで走っている新型市内線バスでも行けるのですが、さすがにダマスカスから強行軍で移動して疲れきっていたことと、うまく移動すれば21時発のアレッポ行きに間に合いそう(バスでは45分程度かかります)だったので、タクシーをチョイス。100SPですが、移動距離と、ターミナルでの交渉ということを考えればこんなものです。
カラージュには21時の5分前に到着。ぎりぎりで21時発のバスを捕まえることができ、アレッポのカラージュ・ラムーセに23時半、そこからタクシーでバーブ・ファラジの安宿に着いた時には日付が変わっていました。