当時、日本の繊維製品輸出が日米間の大きな問題になっていましたが、ニクソン大統領が強い不信感を伝える書簡を送っていたことが明らかに。
これは日本側が作った繊維輸出の自主規制について、ニクソン大統領が『本当に驚いた』、『失望と懸念を隠すことができない』とあからさまに不満を表明。
当時の米・マイヤー駐日大使も『端的に言えば、大統領は事態に憤慨しているということだ』として、日本政府に米政府の不満を伝えた上……
『沖縄返還協定の米国内の審議に飛び火するのを心配している』と、脅迫ととれる発言も。
結局、日本政府はニクソン大統領の『恫喝』に屈して、また全面降伏、繊維輸出の自主規制について、アメリカの要求を丸呑み。日本の輸出向け繊維産業は、壊滅的な打撃を受けることに。
専門家も、ニクソン大統領の佐藤首相に対する、恨みつらみが表に出ており、繊維問題が日米関係を悪化させる非常に大きな要因になった興味深い資料だとしています。
ニクソン元大統領と言えば、オヤジ世代ならニクソン・ショックで有名。ドルと金の一時交換停止、輸入課徴金、さらに日本の頭越しに中国共産党政府と外交を樹立、明らかに日本タタキを再開した大統領とも言えます。
しかし、繊維問題が沖縄返還交渉での裏取引の一つであったのも明らかになり、沖縄返還で日本の繊維業界が血祭りに上げられたとも言えます。
繊維業界では、多数の企業と従業員が廃業、失業に追い込まれたわけで、裏では、アメリカの恫喝があったなんてわかったら、ただでは済まなかったでしょう。
外交文書を相当期間、秘匿する理由の一つでもあります。