海底を捜索して発見されるまで、なんとも言えないが、ヘリコプターで跡形もなく墜落するのは珍しいだろう。
ヘリコプターってのは、案外、安全な乗り物で、エンジンが止まっても、竹とんぼの原理で、パイロットの腕にも寄るが、大抵は死なない程度の不時着ができる。
テールローター(ヘリの後ろのプロペラ)に故障が起きると、水平方向の姿勢コントロールができなくなるので、墜落するしかないが真っ逆さまということは、まずない。
真っ逆さまに激突の可能性としては、メインローターが破断した場合、地上の何かしらと衝突した場合であるが、今回は海上であるから、その可能性は低いだろう。
そうなると、残るのは『空間識失調』がまたまた出てきそうだ。
別にパイロットだけでなく、一般人でも状況が揃えば、『空間識失調』になる可能性があるそうだ。
濃い霧とか夜間飛行などで、機体の水平、垂直方向の平衡感覚を失ったときに出る症状で、パイロットの健康状態とは関係なく、出現する可能性があるそうだ。
こうなれば、後は計器に頼ることが唯一の脱出方法だそうだが、これがなかなか難しいようだ。
計器よりも、自分の感覚を信頼してしまうからだ。
人間らしいエラーとも言える。
行方不明のヘリコプターの事故原因は、機体が引き上げられて調査が済むまで、なんとも言えないが、『空間識失調』の言葉は覚えていて損はないだろう。
別に空を飛ばなくても、我々は、しばしば、正しい情報を無視して、自分の感覚による判断を優先して失敗する。
これも一種の『空間識失調』だろう。