やっと、一服と思ったが、明日も気が重い打ち合わせがある。
まったく、続くときは続くものである。
兎に角、そんなときは、パイプを吹かしているに限る。
しかし、パイプの煙で瞑想できるほど、優雅な身分に生まれついてないので、何かしらの本を引っ張り出す。
今夜は、ホームズの『最後の挨拶』だ。
実質的に、ホームズシリーズの最後の作品だが、理由は不明だが、『最後の挨拶』のあと10年もしてから、『ホームズの事件簿』が刊行されている。
本は好きだが、乱読系なので全シリーズ読んだのは少ない。『ホームズシリーズ』は珍しく全巻読破した。
それはともかく、『最後の挨拶』の解説を読んでいたら、面白い写真があった。
それが、これ……
紙巻き派なら、一目でわかるだろう。
別に北朝鮮の偽タバコではない。
今は亡き、星先生のショートショート千編達成記念に配られた『記念たばこ』なのだそうだ。
笑えるのは、その但し書きだ。
『健康のため書きすぎに注意しましょう』とある。
『ホームズ』の後書きに、星先生が登場するのは、今の読者ならクビを傾げるかもしれないが、ちゃんと理由がある。
星先生がショートショートを書き始めた頃は、ショートショートもSFもミステリーも、同一分類にされていた時期があったのだ。
その後、それぞれ別のジャンルとして、独立していくが、ミステリー作家たちとの交友は続いていたということだ。
星先生と言えば、ウイスキーにタバコと睡眠薬が欠かせなかったことで知られている。
この三点セットが、星先生の寿命を縮めたのは確かなようであるが、どのみち人間は死ぬモノである。
別に真似しているわけではないが、オヤジもウイスキーにタバコと睡眠薬がないと、一日が終わらない。
禁酒、禁煙、禁薬しても、隕石に当たって死ぬヤツだっているだろう。
まっ、人の趣味は説明できないって言いますからね。
それは置いといて、『最後の挨拶』はホームズシリーズの中でも好きな作品です。
引退していたホームズとワトソン君が、再びコンビを組み、見事、事件を解決します。
ちなみに、ホームズが何で死んだのかは、作者は教えてくれませんでした。
しかし、ワトソン君は、再び軍に復帰、第一次世界大戦に参加することになります。
はたして、あの名コンビは再会することが出来たのでしょうか……
- アーサー・コナン・ドイル, 日暮 雅通
- シャーロック・ホームズ最後の挨拶 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫 ト 2-6 新訳シャーロック・ホームズ全集)
