若い頃、情熱を燃やしたのが、黎明期のパソコンとショートショートだった。
結局、パソコン業界にどっぷり浸かったので、ショートショートの創作活動は断筆状態となってしまった。
長いの不況のお陰で、創作活動をする時間ができたので執筆を再開したが、最早、趣味のベースで細々であることはいうまでもない。
しかし、ショートショートも、SF同様、昨今は少なくとも商業ベースでは、絶滅危惧種である。
ショートショートを出発点にしたプロ作家は多いが、上記の理由でほとんど書けない状態らしい。
しかし、Web上では自作ショートショートを並べたHPが、星の数ほどもある。
これには、星先生のショートショートが教科書に採用されたり、文学講座あたりで習作としてショートショートを書かせることにもあるらしい。
その一方、「え? ショートショート? 何それ?」(集英社新書『ショートショートの世界』より引用)なんて、反応も珍しくないというから驚きだ。
精々、教科書程度でしかショートショートを読んでいなければ、それも頷けるところもある。
商業誌はもちろんのこと、同人誌でも滅多に見かけないのだから仕方ないだろう。
しかし、Web上ではあれこれのショートショート『専門』HPが多数存在するといっても、大いに疑問符が付くのが大多数だ。確かに、これは凄いと思うのも僅かではあるがあるものの、ほとんどは『惜しい!』としか言えない。
これには、作者たちの勉強不足が原因ではないのか?
全部とは言わないが、少なくとも星先生辺りの主立った作品は読んでいてほしい。
純文学とか推理小説、歴史小説なら、教科書代わりの『先生』たちがたくさんいて大変だが、ショートショートなら、星先生だけ読めば、粗方基本知識が獲得できるから楽なものだ。
ショートショートは、単に短いだけでも、アイデア狙いだけでも、オチ狙いだけでもない。
普通に書けば100枚超の作品を、10枚に凝縮(単に縮めるだけではない)するところに特徴と意義がある。
これは簡単なことではない。それはやってみればすぐにわかる。2、3本は案外簡単に作れるだろう。しかし、10本作れれば十分に文才があると思っていい。但し、商業ベースを目指すのは諦めた方がいいだろう。
むしろ、HP、同人誌(ショートショート同人誌は多分ほとんどないから自分で作るしかないと思うが)あたりで、楽しむのが良いと思う。
どうしても世に問いたいなら、毎度評判の悪い『自費出版』しかないが、本にするとすれば、200枚超が必要であるから、10枚のショートショート20本以上創作する必要がある。これは費用を除いても至難のことだろう。(余計なお世話ながら、20本掲載するためには、少なくとも3倍の60本を創作して、そこから抽出すべきだ)
星先生がショートショートの上達の方法として、『出来たら誰かに読んでもらえ』とあったが、そもそもショートショートを知らない世代が多数占めてきた状態では苦しいだろう。
HPあたりで発表して、気長に感想を待つしかないかもしれない。運良く感想が貰えたら、それが酷評でもレスを返そう。
ショートショート復活には底辺の拡充しかない。
文学賞獲得に必死になるのも結構だが、何の制限も生活にも影響なくアマチュアとして『創作』を楽しむのも良いのではないか。
その意味ではショートショートは、もっとも適した形式だと思う。
ショートショートの作法に関しては良い本がでている。
ショートショートの歴史から、作法まで、それに作者自身の作法まで公開しているのは、極めて珍しい。
ショートショートに限らず、中長編を書かれる人たちにとっても良い教科書となるはずだ。

高井 信
ショートショートの世界