鉱石標本。 | パイプと煙と愚痴と

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単なるオヤジの愚痴です。

貧乏な我が家ではあるが、他の家にはまずないだろうものがある。
それは、水晶はじめ、各種の鉱石の原石である。
なぜ、こんなものがあるのかと言うと、亡き祖父が、秋田の尾去沢鉱山で働いていたからだ。
尾去沢鉱山は、とっくの昔に閉山になり、今は鉱山跡がテーマパークになっているが、かつては日本有数の金山であった。
そこで働く祖父が、こっそり集めたあれこれの鉱石が形見分けされて、我が家にもあるというわけだ。

大きなものは一抱えもあり、我が家を訪れる人は珍しそうに見ていくが、経済的な価値はない。
それでも我が家の家宝には違いないだろう。
私には、子供の頃、祖父が手作りしてくれた、写真の鉱石標本が一番の宝物である。
明後日は彼岸でもあることだし、久方ぶりに戸棚から取り出し、開けてみれば、祖父の書いた字は、既に薄れ読めない。
嘗ては、全部暗記していた鉱物の名前も、今、思い出すことができるのは、二つ、三つしかない。
いつしか、祖父も、我が家の『ご先祖様』になっていたのだ。