ライブメモ:挫・人間ツアー名古屋 | 人間でいたい

人間でいたい

愛と平和


「3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去っていく」
という話を、もう誰もしていないなあと思ったら桜がまだだった。

先日、こんなに暖かいのにねって人と話していた時に「桜が心閉じちゃってるのかもしれないですね」と言ったら、鳥肌立っちゃったよなんて言われた。嬉しい。褒められた子供みたいな気持ち。
そういえば、先日も人に褒められた。
春は、人が優しくて穏やかでオープンになれる気がする。良い面を解放するという意味でのオープン。こんな風になりたくて、こんな風でいたくて人間でいたいと思う。

挫・人間の全国ツアー
「みんなで!ZU・BU・NU・RE」は、
3/26(火)の新宿レッドクロスが中止となり、
名古屋がライブ初めとなった。

新宿レッドクロスで急遽、ライブの代わりに開催となったトークショーも聞き応えがあって楽しかった。
梶原さん(だったはず)が
「コーラスは色んな種類があったほうがいい」というような話をしていて、なんだか励まされたような気持ちになれた。ひとりじゃない。
お酒を飲みつつ、陽気な挫・人間ショーを観ることができて良かった。

名古屋の地に降り立つと、
ビデオテープの巻き戻し音がきゅるきゅると鳴り、何もかもがまるで、あの時のように近く感じる。
友達と大学帰りに食べたたこ焼きやクレープ、バイト前に足繁く通ったパン屋さん、楽しかったこと幸せだったこと、悩んだこと憂鬱だったこと、孤独だったこと、夢みていたこと。
不思議と、ノスタルジーというよりは今ここに私はいるんだという感覚が強まって嬉しく感じた。
地下鉄に乗り、
CLUB UPSETの最寄り駅のひとつ奥にある
覚王山駅で下車してご飯を食べた後、
歩いて会場へ向かった。

整理番号が50番代だったこともあり、
前列寄りで観ることに。

行きのバスセンターで「dead link」を聴き、
数時間後には本物が...!!と思った高鳴りを胸に秘めたまま、
ついに、その時はやってきた。

カンフー衣装を着たメンバーが登場し、
タイチさんと下川くんが「抱拳礼」ポーズを決め、幕開け。
下川くんが目をかっ開いた笑顔のまま、しばらく微動だにしない時間があり、
会場から「こ、怖い...!」という声があがって、笑った。

1曲目は「セイント・ギロチン」。
照明が暗転してズギャギャギャギャとイントロが鳴り響き、
ライブ始まったー!!とテンションMAXに。
生で聴くセイント・ギロチンはやはり、えぎぃ。
音の迫力。
猛スピードで血液が全身を駆け巡るビリビリ感と、音の振動で揺れる体、気持ちいい。

そこから「人類終了のお知らせ」で大統領!と声を出し、「JKコンピューター」でラブリーな気持ちになり、カオスハッピータイム。

そして、私がこの日のライブで圧巻だと感じた「夏・天使」。
夏・天使、ライブで聴くのは初めてだった。
生演奏で聴く夏・天使、あまりにも綺麗で、
「音楽って...スゴイ」という気持ちに。
全身がぼうっと熱を帯びる。
きらめく音の美しさは、言葉にできない。

そして、
下川くんが「緊張する...」と呟きつつ、
声児さんが励ましの言葉をかける中、披露されたのがニューアルバム「銀河絶叫」から初披露となる曲、「ギンガ」。

アルバムの新曲を生演奏で聴くのを、
本当に本当に楽しみに毎日を過ごしてきた。
ついに...!!という感情が昂り、
今という時間に包まれている幸せを噛み締める。

そこから、
「ストリップ劇場の恋」や、「間違いだらけの消えない情熱」と
怒涛の勢いでアルバムからの新曲が続き、
ライブ感が高まる。

「俺だけがZU・BU・NU・RE.....」では、
下川くんがびしょびしょの前髪を片手でかきあげ、体をくねらせポーズを取りながら
「水曜日は改札口で...」とSTORYから入り、
下川しね!早く曲やれ!
みたいな野次が飛び交う中、
ずぶぬれだーーー
抱いて!!と曲が始まる。

これについて「最高ですね」というようなことを下川くんがコメントしていて、
愛ってやつは...という気持ちに。
「照れを感じました。」というツイートも、良い。

さあお待ちかねシュワキマセリ!!
という感じで、「教祖S」、「未来・挫・フューチャー」披露。

教祖Sのときの下川くんの表情、良かったなぁ。
ずっとどんな顔で歌うんだろう、
と色々妄想していたけど。

「未来・挫・フューチャーの挫は、挫・人間の挫じゃないなら、じゃあいいですって感じ」
というようなことをトークショーで話していた声児さんがよぎる。
未来・挫・フューチャーって、宇宙みたい。

どの曲もそうだったけど、
下川くんの両脇で体を揺らしながらズッチャガッチャ楽器を弾き倒す声児さんとキョウスケさんがかっこよすぎた。

これが...挫・人間ッッッ...!!!!!
と、でっかい文字で描かれる漫画のワンシーンのような神々しさを感じるステージだった。

それから、MCを挟み
「ソモサン・セッパ」や
「念力がほしい!!!!!」、「人類」と
ライブDVDでも履修したオーソドックスな曲が続く。

「ソモサン・セッパ」、「人類」は
2月にライブへ行った時もあったが、
下川くんの髪型が変わったのもあるのか、
社会の荒波に揉まれて狂ってしまった人間、という雰囲気があって、また違う趣を感じた。
そして何より、楽しい。

生の「ソモサン・セッパ」を初めて観た時に思ったのは、全部下川くんが1人でやるんだ...!!
ということ。
それは、そうだ。
「ソモサン・セッパ」は、
下川くんが自分自身と対話する曲だから。
その事実にすごく、感動した。
この曲は「下川ミュージカル」というか、
楽器隊やお客さんも含めて、
「下川くんと、その運命に巻き込まれる人たち」という感じがあって、毎度感動する。
ここでの「運命に巻き込まれる」というのは至極、喜劇的な意味合いで
地味で惨めな自分自身の人生を、明るくキラキラと照らしてくれる。
この曲の中の下川くんは、自分自身でもあるように感じるのだ。こういう風に自分を鼓舞して、時に、誰かを応援できるようになりたい。

それから、
挫・人間の曲の青春パンク的なラブソング「クズとリンゴ」や、
「ゲームボーイズメモリー」、「セルアウト禅問答」が披露され
MCで「ライブDVDではchapter18くらいなんですよねぇ」と話す下川くんが浮かびつつ、
もう終わりかぁ、と切なさを感じる。
それでも、
じんじんと響き続ける胸の奥をなぞるようにして、ライブを楽しむ。

「絶望シネマで臨死」にて、
花束を胸いっぱいに抱えたような気持ちで、幕が下りる。

そして、アンコール。
アンコールでは、
下川くんが「ZU・BU・NU・RE Tシャツ」を着て登場した。
(声児さんは、髪をひとつに束ねていた。)

そこから、しばらくMCタイム。
下川くんが「繋がれてると感じましたね」というようなことを言っていたのが、嬉しかった。
挫・人間のファンの方と言葉を交わしたことはないけれど、安心感というか、どこか繋がれているような気持ちでいれる。
だからライブも余計なことを考えずにめちゃくちゃ楽しめるし、
挫・人間という空間はすごいな〜って、
ライブって、そういうのを改めて感じられる場所だなとしみじみ。

タイチさんも満点笑顔で「元気になったよー!!」と体調回復を報告していて、
良かった良かった。
(下川くんがタイチさんについての話をしている後ろで、タイチさんが申し訳なさそうに立ち上がっておずおずとしている姿が、可愛かった。)

「アンコール、なにやろっかな〜」
と呟く下川氏。
決めてない...だと?!

初恋の人とか
素粒子とかタルパとか除霊とか
下川くんが延々と話し続ける後ろで
声児さんとキョウスケさんがコソコソと何か話し合っていたり、

下「はやかわみさきにであえて良かった、って...」
声「知らない曲?!」

みたいなやり取りが面白くて、タルパにであえて良かったとか、いよいよ「下川くんに巻き込まれた」感が強すぎるのではと思って、爆笑した。

そして告げられる、
「下川くんにであえてよかった」
.........!!!!

あーーー
この曲をライブで聴ける日が、ようやく.......

人が、人をみている時の顔が好き。
私は、どんな顔だっただろうな。

黒いTシャツを着て歌っているその人は、
なんだか、人の姿をした神様のように思えて、
ここにあるものは、今ここで感じている全ては全部、幻なんかじゃない、消えない、ここにあるんだって、
そういう光、夢の中みたいな現実を、確かに感じられる瞬間だった。
あの時の景色を、何度も何度も思い出す。
美しかった。

ツアー名古屋、ライブ初め
本当に、最高でした。
ニューアルバムのコンセプト通り、
生演奏の良さを味わえる贅沢な時間になりました。まだまだライブがあるの、幸せすぎる。
生きような。

※セトリをXにあげて下さっている方がいて、
そちらを拝見しつつ、記憶を辿りながらブログにすることができました。ありがとうございます。