前回ブログの続き
次の日
ウチに泊まった片腕の若い衆は
「おはようございます!」
とても元気
次男のつくりかけの弁当を見て
「うわー、お弁当」
目を輝かせた
長男と次男に
「作ってもらえば?」
「今ならまだ間に合うよ?」
と、言われ
「(嫁)さん。俺もお弁当食べたい」
「じゃあ作るの手伝ってね?」
「おー!間に合った!」
料理は当番があるからある程度はできる
Jと一緒に
「このちっちゃいウインナー。同じように切って?まずここらへんを切る」
「はい」
「こっちも」
「細かい(笑)」
「更にここな?」
「何これ(笑)面白い切り方」
「で、弱火で焼く。ここ入れて?たまにコロコロするんだぞ?」
「たまにコロコロ。あ!ビヨーン!って!!大丈夫!?これ広がってきちゃいました💦」
「これが完成(笑)見てて?ほら。タコ!」
「なんで!?なんで!?タコ!(理事)さん!タコ!」
「えー!凄いじゃないか(笑)いいこと教えてもらったな(笑)」
「タコ(笑)」
嬉しそうにみんなに見せてる姿は
こっちまで嬉しくなった
写真を撮って
「これ送ろ」
「誰に?」
「(片腕)さん」
「バタバタしてるときだからほっこりするかもな(笑)送ってやれ」
きっと片腕達はピリピリしてる真っ最中だと思うが
ちゃんと
「あ!返事が来た」
「なんだって?」
「凄いな、上手にできてよかった、今度つくってくれ、楽しみにしている、だって!」
父親に褒められた息子のように
本当に嬉しそうだった
子供達の登校も元気いっぱいに見送ってくれて
弁当持って事務所の皆に見せるんだ!とニコニコしながら帰った
幼いって表現を使ったら失礼なのかもしれないけど
幸せならいいやと思える笑顔だった
嫁は若い衆を見送りながら
「(若い衆)が健康で元気ならそれでいい。良いところいっぱいあるんだもん、十分よ」
納得でした
そして理事に電話がかかってきて
「はい!えー!!!ちょっと待って下さい!(嫁)さん!!」
「なーに?」
「(片腕)さんが!!」
一瞬、ヒヤッとした
「(片腕)が何!」
「キレちゃったらしくて💧」
「はぁ!?」
「とにかく代わって下さい!💦(毛皮のオジサン)さんからです!」
こんなことってあるのか?
片腕がキレた?
嘘だろ!?
「毛皮のオジサン!?何事なの?!お家は?壊れなかった?!え!!!何それ💧あー、そうなんだ。どうしてそんなことが言えるのかしらね。オジサン(会長)も?!そっか。治まってはいるのね?え💧なんかさぁ💧(片腕)も人間なのね。そうだなぁ、こんなときは黙って緑茶と小皿に梅干し2コ乗せて出してあげて。これ?出せば(片腕)は分かる。落ち着くと思うよ」
何がなんだかさっぱり分からなかった
電話を切り
「(片腕)がキレて、落ち込んで、引きこもった」
「なにそれ💦全然分かんない💦」
「キレた自分に悲しくなったのか、キレた理由に落ち込んでるのかどっちか」
「梅干しって何💧」
「とりあえず(嫁の元カレ)がハマった思い出の物」
「(嫁の元カレ)さんが関係してんの?」
「犯人に言われたんだって。なんでそうなったかは分からないけど、(嫁の元カレ)が上にいて本当は煙たかったんじゃないのかって」
「何💢💢💢何言ってんだソイツ💢」
「パパと同じよ。そうやって(片腕)は頭にきたのね。オジサンも思わず応接間にある甲冑が持ってる槍に手を掛けたって」
「当然だろ」
「(助っ人)も飛び出したらしいけど、なぜかこんなときに靴のオジサン(ナンバー2)が止めたって。なんでだろ。1番危ないと思ってたのに」
「奇跡?💧」
屋根屋の友達が
「これ、あっちに会長達を居させちゃダメじゃね?(片腕)さんだってこれから気が変わるかもしれないし」
兄貴が
「俺、迎えに行ってこようか?(会長の側近)さんも(犯人)と会ったらマズイんだし」
「とりあえず靴のオジサンに連絡してみる。皆がいつもと逆の行動してるし、何か変よね。それにこんなの(議長)さんの耳に入ったら大変なことになる」
理事の言葉が沁みた
「(嫁)さんがいてくれることで、これで済んでるんだと思います」
止められるのはただ1人
嫁しかいない
思い止まれるのはこの存在が浮かぶから
それを痛感した朝でした