前回ブログの続き
夕方過ぎ
子供達が帰ってくるからとウチに帰ろうと思ったら
「じゃあ明日な？」
「何かあったら連絡します！」
オレの家族以外、誰も帰る気はないらしかった
病室がある階は誰も来ない
片腕達の専用病棟
個室も何部屋かあるし
シャワーも付いてる
みんなに付き添いを任せることにした
その時、若い先生が来て
「(嫁)さん！良かった！あの、追加いいですか？」
「まさかご飯の？(笑)」
「グレープフルーツ？前にサラダ作ってきてくれたじゃないですか」
「あー！作ったね」
「あれも(笑)できれば食べたいんですけど」
「分かった(笑)それにしても柑橘系が多いけど先生達の好み？豚肉のオレンジ煮とかマリネもレモン入れてるし」
「今日知ったんですけどね？不思議なんですよ。全員、フルーティーなものが好きだったんです！」
「あら！もっとスタミナ付くような味付けが好きなのかと思った」
「長時間の手術が多いのでビタミンと水分の多いものが食べたくなるんですよね」
「そーなんだ。だから(外科医)先生もミカン５個ぐらい食べてから行くのね」
「冬はミカンが最適です(笑)あ、そうそう。(議長)さんの傷の具合を見せてもらいに来たんだった。やっぱり目で見て確認したいから」
みんなで部屋の隅で後ろ向きになって
声だけを聞いていた
「(議長)さん。ここ感覚あります？冷たいとか温かいとか」
「ないです」
「ここは？押された感じあります？」
「あー、言われてみれば。ハッキリとではありませんけど」
「じゃあここ！」
「分かります」
「おぉーーー！」
「何ですか？」
「ウフフフッ(笑)来て良かったです。ありがとうございました！」
ルンルンの先生
Jは思わず
「待った！！先生、そのニコニコ何なのか教えてくれ💦気になるじゃん！」
「人間の体って凄いんですよ。気持ちでどの方向にも傾くんです(笑)じゃ、報告があるので！」
小走りに病室を出た
「答えになってたか？」
「ぜーんぜん分かんねーよな💧」
謎発言でした
何人かで代わる代わる付き添いをしていたその日の夜、屋根屋の友達から電話があった
「お前ら帰ってからさ。(脳神経)先生とか他の先生達もちょこちょこ来たんだよ」
「様子を見に？」
「それがそんな感じでもなくて。お前の帰りがけに(若い外科医)先生が来たじゃん？みんなあんな感じで、どれどれ？ってニヤニヤしながら。謎集団が」
「ウフフフッって？」
「そう。(議長)さんもキョトンとしちゃって、何だと思います？って聞くから、なんだろうねって返すしかなくてさ。(庭師の後輩)が何か生き物がいるとか？なんて摩訶不思議なこと言うし💧」
「不安になるじゃん(笑)」
「そうでもないぞ？(議長)さんも、何かいたら飼わなきゃいけなくなりますよね？なんて言ってんの(笑)意外と(庭師の後輩)に頭の中が近いのかと思っちゃうよな(笑)」
「それはそれでヤバイ(笑)」
「あ、そうだ。手術は例のごとくいきなり実施だってさ。でもどうなんだろ。今日も救急車２台目だぞ？」
「24時間営業だもんな。合間で手術できる時間とれるかが問題。急患に対応できる先生も待機させなきゃいけないし」
「待機といえば(外科医)先生は今日の夜から明日の朝までなるべく体力温存させるって言ってたな」
「じゃあ明日かも？」
「これ以上、救急車が来なければだと思うけど。(議長)さん、食欲出てきて腹減ったって言ってた。悪くなってないんだなって思ったけど(大工の後輩)がじゃがりこなら野菜だから良いんじゃないの？って言い出して(笑)」
「(議長)さんの病室、出禁にしといて(笑)」
食欲ないどころか
気持ち悪いって言ってたのに
何か食べたいと思えるようになってた
やっぱり不安もあったのかな
何だかとっても安心できた瞬間だった