昨日の夜。
珍しい人から電話。
兄貴の若い衆からだった。
「どーしたの?!まさか兄貴に!?(兄貴の側近)さんとか!?」
「どっちも違います!(先輩)さんです!」
「どーした!!」
「店の前で倒れてて救急車で!俺付き添ってて◯◯病院に運ばれましたから!」
情報屋の先輩。
私生活も想像つかないような独特な存在。
でも良い人。
何度も助けてもらってきた。
その人が倒れてた。
血の気がひいた。
緊急出動。
Jと病院に向かった。
「連絡ありがとう!どんな様子?」
「意識朦朧でかなり痛がってて💦駐車場に車停めて降りたら、大丈夫ですか!!って聞こえてきて。俺のこと分かりますかって声かけたんですけど、震えてて声も出てなくて。救急隊の人も大声で名前呼んでたんですけど。」
「反応ナシってこと?」
「はい💧」
「相当な痛みってことか。悪い病気じゃなきゃいいけど。」
しばらくして。
看護師さんが来て。
「(先輩)さんの?ご家族の方?」
ご家族。
実家の場所しか分からない。
「家族ではないけど。何十年も付き合いあります。」
「ご家族と連絡取れませんか?」
「実家の場所は分かるけど、親は見たことない。」
更に後ろから看護師さんが来て。
「(オレのフルネーム)さんって方、いますか?」
「オレです。」
「ご本人が頼んでほしいって。じゃあこちらに!手術になりますから記入をお願いします!」
「手術!?どこを?!」
「お腹です!ここにお名前と、チェックをお願いします!」
急いで書きながら思った。
手術ができるってことは助かるってことだと誰かの言葉を。
大丈夫、大丈夫、言い聞かせ言われた通りに書いた。
手術が何時間かかるのか分からなかったけど。
オレの名前を言ってくれたから、何十時間でも待ってやると思った。
嫁から電話があり。
「なんか分かんないけど手術になった。オレの名前を言って頼んでくれって言ったんだって。痛がってて意識朦朧としてたらしい。Jと手術が終わるまで待ってるから。」
「パパ。深呼吸ね。気持ちをしっかり持って待っててあげて。きっと信頼できるからパパの名前を出したんだよ。」
助かると思いながらも。
「大丈夫かな。」
「信じるしかないだろ。」
Jと不安ながら待った。
兄貴からも電話があり。
「どーなった?(先輩)君、何だった?」
「手術してんの。」
「手術!?そんなに悪いのか?取らなきゃいけないような。」
「何にも分かんない。同意書書いてそのまま。」
「必要なものとか、やることあれば若い衆使え!こんなときに行ってやれなくてごめんな!」
「ありがと。」
兄貴はインフルエンザ。
奥さんにもうつってひどく怒られたそうだ。
1週間経ったけどまだ鼻声だった。
兄貴の若い衆が温かい缶コーヒー買ってきてくれて。
「俺らも(先輩)さんには世話になりましたから、一緒に待たせて下さい。」
涙が出そうだった。