嫁が先生にビデオ通話をかけた。
「手術お疲れ様。さすが(外科医)先生ね。」
「そうなんだよ。俺ってやっぱり天才なのかな(笑)」
「天才よ?もっと自覚持って?(笑)」
「ありがとう!!(助っ人)君ね、思ったより酷かったんだ。骨にも傷がついててさ。レントゲンで見えてたんだけど、意外と深くて。」
「骨って頭ってこと?!」
「うん。痛かったと思うよ。よく笑ったり喋ってたりできてたと思う。凄い精神力だ。一応薬は流してたけどね、歯を食い縛って耐えてたんだと思う。」
「夜中、痛みを堪えてたって(若い衆)さん達が言ってた。」
「やっぱりね。何時に行っても起きてたもん。少し話しをして気を紛らわせようかと思ってね。でも弱音なんて1度も吐かなかった。凄い男だよ(助っ人)君は。血管もつないだからもう心配ないし、足もキレイにつなげた。あとは無理させないことかな。」
「無理しそうなこと言ってた?」
「いない間に何かあったらって。(片腕)君や(ナンバー2)君のことを気遣ってた。若い衆らは避難してるんでしょ?」
「それがね、みんな行かないって言って事務所を離れずにいるのよ。(片腕)達もいるのに離れる訳にいかないって。事務所はみんなが守るって頑固で言うこと利かないみたい。」
「似ちゃったな(助っ人)君に(笑)親父さんの代からそうだから、それが普通なのかな。(助っ人の側近)君って言ったっけ?」
「(助っ人)の右腕ね。」
「親分のこと心配だろうに向こうで頑張ってるらしいよ。(片腕)君ができた右腕だって言ってた。もの凄い結束力だよ。昔からみんな変わってない。」
「代々、親分さんを見てきてるからね。」
「良い親分さんばっかりだったからね。子供達が見事に引き継いでくれたか。」
「(会長の親父さんのフルネーム)だけは厄介だったけど(笑)」
「アハハハッ(笑)あんなに無制限で恐ろしい人も珍しかったけど(笑)でも優しさの深い人だったね。」
「そうなの。優しいんだけどね。怖すぎて優しさが全然見えないのよね。私は優しさだけをもらったけど。でもあの地獄がなかったら親子で会長にはなれなかったかもね。」
「その(会長)さんも(助っ人)のところに来てるの?」
「それがさ来てないのよ。」
「へーーー。珍しいね。」
「なんか怪しく思えてきた💧」
「(会長の親父)さんの息子だからね(笑)」
「そうだよね💦ちょっと連絡してみる💦先生、(助っ人)のことお願いね!明日行くから💦」
「そっちもお願いね?(会長)さんのことが心配になってきたから(笑)」
ひとまず助っ人は大丈夫なんだと分かったが。
何をしてるのか分からない存在に気付いた嫁。
「オジサン!!」
「え?!どうしたんですか💦」
「何してるの?」
「風呂出て、(助っ人)の手術が上手く行ったって話しを聞いてたところですよ?」
「じゃあ自宅?」
「自宅ですよ。ほら。」
「でた!木彫りの般若!」
「ね?(笑)逆に何かあったんですか?」
「オジサンがさぁ💧おとなしくしてるから💧おかしいなぁと思って💧」
「アハハハッ(笑)聞いて下さい。あちこちからストップかけられちゃって(笑)。(助っ人)の事務所には来るな!(助っ人)の見舞いは手術終わってからにしろ!って。(会長の側近)もこの木彫りの般若みたいな顔して俺が勝手をしないように見張ってるんです。俺も考えたんですよ。今動いても煙たがられるだけかなぁと。」
「偉いね。」
「良かった(笑)褒められた(笑)」
「(助っ人)はどうなんですか?」
「酷かったらしいけど、(外科医)先生だから大丈夫。でもよく痛みに耐えてたって。凄い男だって(助っ人)先生が言ってた。」
「我慢強すぎるから心配してましたけど。やはりそうでしたか。(片腕)の判断は間違ってませんでしたね。」
「そうだね。しかも坊主だよ。」
「あら(笑)まぁ髪なんて生えてきますから。」
「オジサン?」
「はい。」
「いい子にしてようね?」
「はい!!!今回ばかりは約束できます!!」
嫁にいい子にしてようと言われ。
そんなに嬉しい顔するの?!ってぐらいの笑顔でした(笑)
会長が動くとなると目立つし。
助っ人の事務所の周りもまだまだ気が抜けない。
みんないつ襲撃されても良い覚悟で片付けをしてるから。
会長に動かれたら、そこまで守りきれる保証はない。
まだジッとしててね?