炭酸飲料と野菜ジュースの混合比率に関する有用性の検証 | Slow Down

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アニカラアーミーズ・アニカラヒーロー・不忍カフェの歴史書。

[要旨]
炭酸飲料と野菜ジュースの味に対する混合比率について検証した。
両者を混合する場合、野菜ジュースの比率が高い調合が望ましいことが示唆された。

[目的]
世間一般に「炭酸飲料と野菜ジュースは混合しない方が良い」という意見が多数派であるが(Hiragi et al., 2020)、一部のコンカフェにて「組成によっては有り」という仮説も提唱されている(Syo 2020)。

近年、多くのコンカフェにおいてはオリジナルカクテルの調合について盛んに研究がなされているものの、野菜ジュースと炭酸飲料の混合に関する知見はほとんど得られていない。

栄養を考慮し、消費者の健康を維持増進する「ミックスジュース」の存在は今後大きなシェアを築く可能性もあるが、そのためには「味」を考慮した混合比率を確立することが第一の課題であると考えられる。

そこで著者はヒロインちゃんによる体験談・シミュレーション結果を情報収集し、両者を混合することの有用性についての基礎的な検証を行うこととした。

[材料と方法]
著者の最寄のコンビニエンスストアにて以下の飲料を購入した。
A社製 炭酸飲料
B社製 野菜ジュース
C社製 果物ジュース
(注)本来論文では再現性を重視するため、具体的な商品名を記載します。しかしこの記事で公表することはメーカーの方などに不快感を与える可能性があるため、製品名含めて非公開とします。
賞味期限内であることを確認して、各飲料を開封・スポイトで吸い上げて、ガンマ線滅菌済みの樹脂容器に滴下した。
各組成は以下の2通りとした。
ブレンド名 『Hrg』 炭酸飲料(7mℓ)+野菜ジュース(3mℓ)
ブレンド名 『Syo』  野菜ジュース(8mℓ)+炭酸飲料(1mℓ)+果物ジュース(1mℓ)
全飲料を所定量滴下後、樹脂容器の蓋を閉めて10回転倒混和し、グラスに移した(Fig.1)。
著者の主観でそれぞれの「味」を0~10点で採点し、いずれも反復は5回とした
(採点の目安として、0点:飲めない、5点:飲めないことはない、10点:美味しい)。
集計された結果については、t検定にて統計解析を行った。


Fig.1 使用した樹脂容器とブレンドした飲料

[結果]
採点結果は以下の通りであった(平均値±標準偏差)。
『Hrg』 : 2±0 点
『Syo』 : 7±1 点
t検定の結果、『Hrg』と『Syo』との採点結果の間には有意な差が認められ、野菜ジュースをベースにした『Syo』の方が美味しいと判断された。

[考察]
『Hrg』について、野菜ジュースは炭酸飲料に対して半量以下であるにも関わらず、その濃厚さは炭酸飲料本来の味を容易に変化させるのに十分であり、10mℓを吟味することさえ困難であった。 この組成が不適切な調合であることについては、情報提供者の某ヒロインちゃん[H氏]とも見解が一致しており、被験者を増やして再検証しても同様の結果となることが予想される。
一方、『Syo』については、野菜ジュースをメインとし、炭酸飲料および柑橘系ジュースを少量加えることで、甘味と酸味が僅かに向上するものの野菜ジュースの味はしっかりと残っていた。 この組成はアニカラにおけるオリカクの権威である[S氏]が考案されたものであることから期待される数値が得られた。 ただし今回は著者単独の評価であり、被験者を増やすことで標準偏差は高くなり、消費者の好みによって賛否は分かれるものと推察される。
なお、今回行った検証については、有用性ということでは良好な結果が得られず、レギュラーメニュー化を推奨するといった結論には至らなかった。 わが国では市販されている野菜ジュース・柑橘系ジュースの種類が豊富に存在し、多数の顧客のニーズを満たす調合を目指すためには種類・組成を調整し、継続して更なる検証を行っていく必要があると考えられる。

[謝辞]
この論文を執筆するうえで、組成の情報提供を頂きましたアニカラヒーローの硝様、柊様、および当議題を盛り上げてくれたヒロインちゃん達に厚く御礼申し上げます。

[引用文献]
Hiragi et al., 「ファミレスで飲まされたミックスジュースの回想」 unpublished 2020.6.20
Syo 「オリカク用シミュレーションプログラムのミックスジュースへの応用について」 p.1355-1356 2020.6.20