レビューって何のために書くの? ~宮本茂を引退させる人、募集中~ | Aa's column

Aa's column

とある研究者がステマ問題について語ります。
こちらもよろしく→http://stealthmarketing.web.fc2.com/

今回のゲーム業界ステマ騒動は、ネットレビュアーの皆さんにも大迷惑をかけています。
こっち にも書きましたが、ステマの何がよくないって、善意の消費者からの情報提供も、著しく価値を落としてしまうことなのです。
まず信頼されない、疑心暗鬼がはびこる、ステマかと疑われる、レビュアーのやる気がそがれる。


つまり今回のことは、「レビューって何? 何のためにするの?」という疑問も投げかけているのです。


それはそれで、一度考えておいてもいいんじゃないかと思います。


レビューはですね、文化を成熟させるためには、絶対に必要なものなのですよ。
販促とか、消費者のためとか、そんなレベルではない。
本物のレビューは、消費者も、開発者も、企業も、関わる人全てを幸せにします。


どんなレビューが、それか。
それは正直、滅茶苦茶多くのことをレビュアーに要求します。
知識、教養、文章力、取材力、人間性、ゲームの腕etc
だから絶対に、プロのレビュアーというものは必要なのです。素人には出来ません。
ゲームのために生きている人にしか、出来ません。


映画や小説の世界には、すでにそういうレビュアーがいます。

評論家という言い方のほうが一般的ですが、職業としても認められ、一つの分野を築いています。
ちなみに淀川長治さんみたいな方が、私の理想の評論家です。


評論家は、小説家や映画監督すら、育てるといいます。
そのように、消費者の購買意欲を煽る以上に、開発者の心に火を付けるレビュー。
ああここが足りなかったのか、ここが良かったのか、気づかなかった、分からなかった、まだまだ足りない、もっといいゲームを作りたい。
この人に認められたい、この人に褒められたい、そんなレビューが理想のレビューです。


何かどこかで聞いたことありませんか、特に任天堂ファンの皆さん?
そう、以前は山内前社長、そして今は宮本茂さん。
彼らは任天堂内の名レビュアーでしたし、今もそうです。


え、で消費者はどこに行ったかって?


それだけのレビューが、消費者の心にも火を付けないと思いますか?
また、そうして煽られた開発者たちが作るゲームって、やってみたいと思いませんか?


関わる全ての人を幸せにするとは、そういうことです。


販促とかステマとか、そんなレベルではない。
文化を育てるということなんですよ。レビューを書くということは。


だからひたすら胸を張って精進しましょう。
あなたのしていることは、この世界を変える可能性すら持っているのです。