ナギ氏によるブルーハーツ「青空」批判とそれに対する私見まとめ | An Anonymous Author Analyzes Art Articulately
〇ナギ氏によるこの曲への批判とそれに対する私見まとめ
YouTubeの動画のコメント欄で「普段は教師の授業なんかに耳を傾けない不良に対して世界史の教師がこの曲を流したら、不良が真面目な顔になった。この曲のあと教師は白人による新大陸侵略の歴史について解説を始めたが、不良は授業を真剣に聞いていて、名曲の力ってすごいなと感じた」という内容の感想があった。
その教師の授業を受けて、白人の先住民侵略の歴史を知った生徒が、人類ってこんなに業が深いのかとブルーな気分になったとしても、それはおかしなことではない。
ナギ氏は果たしてその生徒に対して「てめえは勝手に憂鬱な気分になっている。ネイティヴ・アメリカンはあんなに虐げられた被害者な訳だが、お前はその卑劣な侵略者に対して怒りを表明していない。お前は、戦争がこんなに差し迫っている現状にありながら何もしないで平然としていられる人間の一人だ」とでも言うのだろうか。
少なくとも、この曲の逐語訳を現在も伝統的な生活を続けているネイティヴ・アメリカンの方々に見せたとしても普通のネイティヴ・アメリカンの方々はこの曲を差別的だと思わないだろう。
また、私は<ナギ氏は「真島氏がインディアン虐殺に対して諦観を抱いている」と主張しているが、その主張の是非を歌詞だけから客観的に判断するのは困難だといえる>と述べたが、仮に真島氏が諦観を抱いていたとしても、それは別に道徳的に問題のある姿勢ではないと考えている。
21世紀を生きる我々がどんなに虐殺の悲劇を嘆じても、過去に白人がインディアンを迫害して虐殺したという事実を変えることは出来ない。
或る過去の出来事がどれほど受け入れがたいものだとしても我々はその事実を受け入れざるを得ないのだ。
その点において、我々が「人類は過去に罪深い行為に手を染めていた存在なんだ」や「人間は純潔にしてイノセントな存在では全然ないんだ」といった諦観を抱くに至るのは、余りにも自然なことである。
ブログの記事を次々に読んでいくと、ナギ氏は差別のない社会を夢見ていると分かった。
<私はあらゆる差別を許せないし、あらゆる差別は廃絶されねばならないと思う。
その原則はここでも、と言うよりここでこそ厳密に貫きたい。
「歌を作った人は何を伝えようとしているのか」を正確に表現するのが一番重要なことであるとは書いたが、人を差別する人間のその差別する気持ちまで「正確に」おもんぱかってやらねばならない必要など、どこにもない。
あからさまに人を傷つけることを言っている人間に対し、それを指摘することもせず、その人間の言った通りを他の言語にまで翻訳してネットで拡散するような行為は、差別に加担しそれを拡大させること以外の何ものでもない。
そういうことを平気でやれる人間は、「自分が言ったんじゃない。誰それが言ったんだ」という言い訳を心の中に必ず準備している。
しかしそれが最も卑怯で悪質な人間のとる態度であることは、自分が言われる立場に立つことを想像してみれば誰しも容易に気づくことだろう。
差別に対し見て見ぬふりをすることは、それ自体が差別であると思う。
だから私はその一点に関してだけは、どんなに原詞や訳詞を「破壊」することになったとしても、妥協しない態度を取り続けて行きたいと思う。>
この文章からは、ナギ氏のそのポリシーが本心からのものであることが窺える。
では、その「差別を受ける人」というのは一体どこに存在するのだろうか。
仮に、自他が認める白人至上主義の音楽バンドが「白人は世界で最も素晴らしい人種だ」というメッセージを込めたり有色人種を複数回にわたって罵倒したりしている曲を作詞・作曲したとしよう。
そのような曲は普通、有色人種が聞けば、「この曲は人種差別的だ」感じられる代物なため、発表後しばらくして、差別を受けたと感じた有色人種によって批判されるだろう。
この例において、差別を受けた被害者は確かに存在している。
この曲の逐語訳を現在も伝統的な生活を続けているネイティヴ・アメリカンの方々に見せても、普通のネイティヴ・アメリカンの方々はこの曲を差別的だと思わないだろうと既に述べたが、そのことが正しければ、この曲に関しては「差別の被害者」など存在しないことになる。
その場合、ナギ氏は存在すらしていない差別の被害者の方々のために、あの青空を批判する文章を書いていることとなる。
被害者すらいないだろうのに、「差別に対し見て見ぬふりをすることは、それ自体が差別であると思う」などと言わんばかりに「差別が存在している」という前提に立ててしまうナギ氏の発想を、私は理解できなかった。
本ブログ「a6web」の読者の方のうち、ナギ氏のこの発想を理解できた方がいらっしゃれば、コメント欄等で私に伝えて下さると幸いです。

