航空整備に生きるルネサンス美術の技法
ここでの美術ですが、西洋美術、特に絵画のことを差します。時期的にはルネサンスごろ、つまり人間が世界の中心になってから以後の芸術に焦点を当てます。
大商人が芸術を仕切るようになり。メディチ家などが有名で、パトロンとして多数の芸術家を育成しました。
パトロンは画家(というより画家の所属する工房)と細かな点まで打ち合わせ、公証人まで入れた契約を結んだそうな。例えば、
◎題材は聖書の人物。でもその人物はパトロンとその一族を暗示するような描写にする。そして、威厳だのカッコ良さだのをパトロン好みに出すこと(パトロンによって「炎のような情熱を表すこと。カラ元気でもいい」とか「穏やかな、なにげに自然なのにしてほしい」などなど)。
◎そのためには、青絵の具はその辺のスーパーに売ってるやつじゃなくて、シルクロードから持ってきたコバルトを使うこと。赤は。。。。。などなど原料・材料も精密に検討。その使用する分量なども細かく計算した。
重要なのは、この時代では芸術家というより「職人」という位置づけであり。作成される絵画も、実は芸術作品というより、事前に取り決められた契約条項のとおり、パトロンが提示したスペックをすべて満たした手工業製品、だったりします。
ここで、飛行機のエンジンとの接点が出てきます。
このほど、いつも修理している工場の「炎のエンジン職人のおっちゃん」に完全オーバーホールしてもらいました。
左写真の小さな継ぎ手から、右の電気配線、燃料や潤滑油のホース、導管など、オーバーホールでやるべき項目そして部品などのスペックは細かく決まっており、そのすべてを満たした製品が再び組みあがったエンジン、ということになります。
おっちゃんは少しづつオーバーホールの足りない部分は旋盤などで修正し、おっちゃんでしかできない均整の取れたエンジンを作り上げたのでした。
まさに「受胎告知」の絵が、画家により違うように、仕様は同じでも出来栄えは違うということである。これがダメな画家じゃなかった職人だと、均整どころがエンジンをダメにしちゃうのですが、おっちゃんのばあいアンジェリコないしダヴィンチ級に仕上げるから大したものです。
ダヴィンチの受胎告知
お題は同じ「受胎告知」。フラ・アンジェリコのバージョン
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