時々、元気をもらいたくて電話する沖縄のマダムがいる。

今は72歳になっているが、未だ金融関係のコールセンターで働いている。

彼女は70歳になってから就職活動を始めているが、それ以前の10年は専業主婦だったのだ。

その頃も、久しぶりに会う友達と韓国で待ち合わせしたり、東京で生まれた孫逢いたさにシェアハウスに住んでみたりと人生を謳歌していたのだが、それにしても70歳を過ぎて就職活動をしようと思ったのは旦那さんと24時間一緒にいるストレスだけではないはずだ。それならば、今までとおなじように色んな所に出かけていけばいいはずなのだから。

「70歳を過ぎて就職する勇気ってどこからきてるの?」

私がそう聞くと、彼女はウフフと笑って

「69歳のときに乳がんになったから。人生限りがあるんだなぁって実感して。治った時に、もう一回命をもらった気がしたんだよね。」

と言った。

病気になったから無理をしないのではなく、もう一度チャレンジしする方に舵をきる。そんな彼女の生き方がやっぱり素敵だなと思う私だ。