S部長と昔の恋愛話で盛り上がった。
S部長は開業医の院長の娘である女医さんと昔付き合っていた事があるらしい。
お小遣いは月50万、アウディという高級車を乗り回し食事は高級店でいつもご馳走になっていたのだという。
「結婚したいって言われたけど、金銭感覚が違いすぎて腰が引けてん。開業医やったら親は医者と結婚して欲しいやろしなー。結婚してたらどうなってたんかなぁ。」
とS部長は懐かしい思い出に想いを馳せていた。
かくいう私も、お金持ちの男性と付き合った事があるが、初めてのデートからホテルのフランス料理店でディナーのコースだったので気後れしてしまって長続きはしなかった。
心がザワザワするというか落ち着かないというか、それだったら場所代を取られているような有名店よりも今流行りの町中華でビールをグビグビ飲んで
「あ''ーっ😮💨しみわたるわーっ‼️」大声出す方が楽しい。そもそも、マナーだって分かっていないのだ。そういえば、20代の頃、お金を貯めて3ヶ月に一度女子6人のメンバーで高級外食を食べに行っていた。それこそ、ホテルの有名なフランス料理店でディナーコースだったのでワインも頼もうという事になった。ボーイさんが、予約を取ったY子の隣でワインのコルクを抜き、Y子に渡した。
Y子はコルクの匂いを嗅いで、なぜか隣のU子にコルクを渡したのだ。そうやって、なぜが6人全員が分かりもしないコルクの匂いを嗅ぐ事になり変な宗教団体のようになった。コルクが戻ってきてY子は厳かにボーイにうなづき、全員のグラスにワインが注がれたがワインの良し悪しなど分かるはずもない。しかも、コースの途中で盛り上がったY子が替え歌を披露したりして、ふと見るとボーイさん達が壁の方を向いて肩をふるわせて必死に笑いをこらえてきたのを今でも覚えている。
そう思うと玉の輿に乗るのが夢だったが、乗れなくて良かったと思う。