九州国立博物館に「生誕270年 長沢芦雪」展を観に行った。
この日は土曜日。
午前中に家業の仕事が入ったので、もう無理かな~?、と思ったが、
そんなことで諦める夫ではなかった
一緒に仕事を済ませ、帰宅して昼食をとり、車でGO。
高速のPAで仮眠をとったりしつつ、16時30分ごろ、無事に到着。
九博、通常は17時閉場だが、
金曜日と土曜日は20時までの夜間開館が行われている。
かなりゆっくり、たっぷりと時間をかけて観ることができた。
この展覧会、実は、私はあまり気乗りしていなかった。
私は江戸時代中後期の画家では、円山応挙が好き。
写生的な花鳥画、細密画がすごいなーと思うし、
何より品がある。
それに比べて長沢芦雪は、なんだか荒っぽいというか、
雑な印象を持っていた。
でも、この展覧会で系統立てて観ることで、印象は一変。
行って良かった!
中でも「花鳥遊魚図巻」はとっても気に入って、何度も繰り返しみた。
(↓ ポストカード)
10メートルを超える長い絵巻物で、
さまざまな植物の花、蔓、枝、
また、魚、鳥、蝶、猿、犬などの生き物が細密に描かれ、感動。
とても美しい。
円山応挙が描く生き物、植物にも感じるけど、
対象を一種の愛情をもって注意深く観察し、誠実に対峙していると思った、。
ただ美しいだけでなく、どれも可愛らしく、愛おしく思える。
「虎図襖」(チケットの絵)や、「龍図襖」、「蹲る虎図」のような
大胆な筆遣いの絵の印象が強かったけど、
単に大胆なのではなかったんだ。
師匠からしっかり基礎を学んで、その上での個性、「型破り」だったんだ、
とわかった。
他にも興味深い絵が多くあった。
「牛図」
ポストカードでは省かれているけど、実物の表装には柴田義董の手による梅の枝が。
牛と梅は天神様の象徴。
面白い仕掛けだなと思った。
他、同時代の画家の絵も何点か展示されていた。
曽我蕭白の2点の絵に釘付けになった!
「虎渓三笑図」は、太い黒マジックで描かれたよう。
劇画のようにみっちりと黒い直線で重層をなして描き込まれる深山。
その反動のように、滝が直線でまっすぐに、真っ白に浮かび上がる。
「群童遊戯図屏風」は、まったく可愛らしいところのない童子たちの絵。
笑ってしまうくらい不気味。
描かれているものすべてが妖しいけど、中でも子犬が気に入った。
目を見開いているけど視点が定まらず、でも形はとってもかわいい。
もし、この犬のアクリルチャームがあれば買うけどな、
と思ってたけどなかった・・・。
いつか、曽我蕭白展がある時に期待。
発見がたくさんある面白い展覧会だった。
気乗りがしない私を、根気よく誘ってくれたw夫、ありがとう