○巨人2-0広島●(20日、マツダ)
試合前から降り続く雨で、ぬかるむマウンド。
足を滑らせることもあったが、巨人の菅野は決して表情を変えない。
「弱みを見せるとチームメートが不安になる」。
新人離れしたマウンドさばきで6回1安打無失点の完璧な投球。
川口投手総合コーチは「下(足元)を一回も見なかった。
すごい投手だと思うよ」と絶賛した。
悪コンディションの中、立ち上がりに注意を払った。フォームが安定するよう、左足の踏み出しを半足分ほど縮めて投げた。それでも一回、3番の丸に対しては149キロ。球威は落ちず、3者凡退に打ち取って波に乗った。
観察眼も優れていた。プロ初登板だった先月30日の対戦で、広島打線が高めの球に手を出しやすいと見た。そこであえて高めを使って18個のアウトのうち、10をフライアウトで奪った。
この日は広島のエース前田健と投げ合うことはできなかったが、「対戦する機会までに力をつけて挑みたい」と菅野。楽しみは持ち越しになったが、23歳の右腕は言葉通り進化を続けそうだ。