(セ・リーグ、広島0-2巨人、5回戦、巨人4勝1分、20日、マツダ)雨でぬかるんだマウンドにも、いつも通り淡々と、そして無失点で抑えにバトンをつないだ。ここ5年以上、巨人の変わらぬ勝ちパターン。日本記録となる154ホールドを達成した山口は「1軍で投げることも想像できなかった。本当にすごく幸せ」と柔らかな笑みを浮かべた。
記録のことは全く頭になかった。「先発の勝ちを消さないよう、チームの勝利につなげるのが僕の仕事なんで」。常にそういうスタンスで投げ続け、昨季は史上初の5年連続60試合以上登板を達成した。育成契約からはい上がり、名実ともに日本を代表するセットアッパーとなりながら、チームへの貢献を問われると「多少は」とはにかんでしまうのが、山口という男だ。
「打たれたら(新聞に)出るポジション。極力出ないように」と常々考えているというが、この日ばかりは「いい記録で出してもらえるのはうれしい」と笑った。先発や抑えに比べ何とも地味な中継ぎ。謙虚な“鉄腕”らしい仕事場に、自らの力で光をあてた。