方便 | 拾い読みあれこれ

拾い読みあれこれ

きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

「今の世は、自然の道理をもつて我(わが)名をよびくる時もあるべしとは、まわり遠し。爰(ここ)は方便なくしては、万人思ひ付(つく)べからず。・・・
(西鶴、『西鶴織留』)

いつかじぶんの事を評価してくれる誰かが現れ、自分を迎えにくるにちがいないと期待するのは迂遠な考えだという意味にとった。気づいてもらうには、方便つまりはなんらかの手だてを便宜的にであろうが講じる必要があるわけだ。でなければだれも気づいてくれはしないと。