ふとくもつ | 拾い読みあれこれ

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きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

「・・・世間に金銀おほくなつて、もうけもつよし、そんも有(あり)。商(あきなひ)のおもしろきは、今なり。随分、世わたりにそりやくをする事なかれ。有(ある)長者の詞(ことば)に、「ほしき物をかはず、おしき物を売(うれ)」とぞ。此心のごとく、かせぎて奢(をごり)をやむれば、よきに極(きはま)る事なり。されば、商の心ざしは、根をおさめてふとくもつ事、かんようなり。
(西鶴、『日本永代蔵』)

たしかに今、世界的に膨らんだカネがうなっている。金融市場では儲けも大きければ損もまた大きいだろう。世わたりうまくやらにゃならんのかもしれん。長者のことば、意味深長だ。

とにかく基本をしっかり維持し、「ふとくもつ」つまり望み大きくということだろう。商いに限らないか。

損を踏ませるのはやはり、奢りなんだろうなあ。