No.539

著者:登美丘丈

読了日 2019年11月16日

ハードボイルドと人情物のハイブリッドな感じの小説

 

読み始めたときに「偽装結婚」なんて犯罪行為を初対面の人に勧める男に、胡散臭いな~と思っていたら、その勧誘している男が主人公だった

 

ストーリーの半分は「女衒」の生い立ちとその因縁の話だけど、八戸の素朴な男と、働き者の健気な異国の女性との「偽装結婚」の話を両輪で進行したことで、より「女衒」の人間味や物語の厚みを生んで魅力的な人物となった

 

読み進めていくと、自らを「女衒(ぜげん)」と名乗るこの男はなかなかいい奴

「偽装結婚」の申し出を受ける男「佐藤幸造」も真面目で、「偽装結婚」する中国から出稼ぎにきた女性も頑張り屋で心がまっすぐで、素晴らしい人

 

最後の50ページ主人公不在で進む

あえてなのか、エピローグという形をとってなかったので、まだ何かあるのかと思ったが、何もなくいい話で終わる

ページ数

276

読みやすさ/わかりやすさ

3/3

展開/テンポの良さ

2/3

私個人の好み

2/5

合計

7

 

2019年 211作品目「名もなき復讐者 ZEGEN 女衒」

 

つぶやき:

人は救われないが、内容に救われるタイプのラスト

これも一つのハッピーエンドの形なのか

No.538

著者:似鳥鶏

読了日 2019年11月15日

シリーズの第四弾

この作品、トリックの2段構えに度肝を抜かした

 

「僕」は「葉山」で、「私」は「誰?」って感じで、誰の視点なのか読みにくい部分もあったが、それも含めてミスリードを誘うものだったのか

 

時間的と空間的なトリックに翻弄されてしまった

なるほどねー、騙されましたね

 

途中、謎解きに時間制限がある局面で、はじめ「葉山」は「伊神先輩」になんだかんだ連絡しないし、連絡しようとしたら「伊神」は全然連絡がつかなくてメールも見てないようだし、読んでるほうもドキドキする場面があった

「伊神」登場まで、もったいつけるよなー

 

「柳瀬」は、声マネに驚かされた

あの人の声まで物まねできるなんて、声オバケですね

 

また、後半のネタ晴らしのワクワク感も、なかなか良かったんです

 

それにしても、文化祭前から、文化祭後の内容だったけど

今「葉山」は2年生でいいのかな?

ページ数

355

読みやすさ/わかりやすさ

3/3

展開/テンポの良さ

2/3

私個人の好み

2/5

合計

7

 

2019年 210作品目「いわゆる天使の文化祭」

 

つぶやき:

場面?各章の中でAサイド、Bサイドに分かれていたことに読み終わってから知った、不覚......

No.537

著者:五十嵐貴久

読了日 2019年11月14日

人知を超え、人のエゴが創り出した超高層建造物

絶対を約束されていたはずの、最新構造と安全装置

しかし、欲と業へのしっぺ返しなのか

それとも、単なる人災なのか

 

昔映画で観た「バックドラフト」

また、現実に起こってしまった悲劇「9.11」を思い出してしまう

あの巨大な建造物が、突如として崩壊していく姿は「ウソでしょ」という現実感のないため息しか出なかった

 

話の前半は、タワーの高さ、荘厳さ、華やかさなど素晴らしさが、それと対照的に、タワー責任者の傍若無人で厚顔無恥な最悪の人柄が分かる

中盤以降、タワーの火災に立ち向かう消防士たちの奮戦が描かれ

後半戦は、主人公カップルの愛情劇とコメディー的要素を挟む

ラストは、息を持つかつかせぬ展開の連続

 

続編は、船らしい

ページ数

407

読みやすさ/わかりやすさ

3/3

展開/テンポの良さ

2/3

私個人の好み

2/5

合計

7

 

2019年 209作品目「炎の塔 The Tower of Flame」

 

つぶやき:

最後にタワーの崩壊を防いだのは主人公だが、事態の深刻さを察知し、消防官僚達を動かし、消防活動を促した「村田」の功績が一番高い

彼がいなかったら、何百、何千の人が犠牲になっていたことか